津波地震の研究
津波地震の研究は1999年台湾地震がきっかけとなった.この地震は本質的には海溝系地震であり,北端部に異常隆起が生じたが,これは海中にあれば異常津波を発生し,すなわち津波地震となったはずである(この発見の経緯については台湾地震調査同行記参照).この異常隆起は河川敷の堆積岩が非弾性変形して生じたものと思われ,それを一般化して,津波地震は海溝の陸側斜面先端部付加体の堆積物が非弾性変形することによると考えた.これはTanioka & Seno (2001a, b)(下から2, 3番目)によって1896年三陸地震や1946年アリューシャン地震を説明するのに有効であることが示された.しかし海溝付近にまで断層運動が伸びてくることは異常なことである.なぜならば沈み込み帯浅部は未固結堆積物が沈み込んでいるので,ずるずるとした安定すべりが生じていると考えられるからである.そのような場所で地震が起こることは,間隙水圧が上がることによって摩擦特性がゼロに変化することを意味しているのでは下から4番目の論文である.
このような安定すべり領域における摩擦特性の時間変化は,一般のプレート境界の地震にも適用可能であると考えており,津波地震の研究は,一般のプレート境界地震の研究に発展しつつある.