研究計画について

この地震に関連した研究計画に関しては次の二つを考えることが要点だろう.

1.地震が,陸上へのりあげた海溝系地震なので,日本付近でおきる海溝系地震を調べることが陸上で行える

 これに関しては現地入りしてから大槻氏と,また帰国後平田氏とたびたび話し合っている.海岸付近のプリズムの下まで到達した油井は異常に高い間隙水圧をしめしている(Suppe, 1981).またCO2が異常に多いことも知られている.掘削によって水,CO2の挙動を知ることは沈み込み帯ではなかなか深部まで掘れないことを考えると重要である.また海で掘ることにくらべれば格段に安価である.地震や地殻変動も現地の研究者と協力して継続的観測を行えば,after slipに伴う地殻変動,余震活動の詳細がとらえられるだろう.

2.断裂は逆断層運動に伴うものであり,きわめて崩壊しやすい.また建造物の被害も急速に修理されていくので,地表変動を調査することは,早急に行う必要がある.

 地表の断裂は他のところで述べたように奇妙な特徴を示しており,これは地表付近が堆積盆を切ったことと関係がある.この点に関しては,第四紀変動や構造物被害の専門家の調査が必要だが,日本でおこる変動のパターンの見方に刷り込まれず,柔軟な見方をすることが肝心である.北西走向の断層セグメントでどのような変位が起きているのか?中央大学が調べた変位分布をみるかぎり大きな左横ずれは起きていないが,運動場のような南西への押し上げだけなのか?北西端の異常な地域の変形はどう理解できるのか?,などなど課題は多い.