長男はプレート境界地震(プレート間地震),次男は沈み込むプレート(スラブ)内地震,三男は上盤側プレート内地震である.
プレート間地震は,比較的ゆっくりと起こることが多い.これはのんびりと,ぼーとしている長男に似ている.これはプレート境界断層で地震すべりを起こすアスペリティ部分がそのまわりをバリア−で取り囲まれているせいである.このバリア−が高い間隙圧のために摩擦0になる,いわゆるバリア−侵食が起こった場合に地震,すなわちアスペリティの高速破壊が起こることになるが,バリア−侵食は完全ではあり得ないので,アスペリティ破壊の伝搬は多少ともゆっくりとならざるを得ない.
沈み込む海洋プレート内地震は,比較的コンスタントに定常的に起こる.これはまじめでこつこつと仕事をする次男に似ている.海溝付近でプレートの曲げによって起こる浅い地震と深いスラブ内地震がある.スラブ内地震は,300 kmよりも浅い稍深発地震の場合は,脱水不安定で起こると考えられる.脱水不安定とは,変成含水鉱物が温度圧力があがるにつれて脱水するときに脆性破壊が起こることをいう.もちろん脱水だけで起こるということではなく,スラブに曲げなどの応力がかかっていることが必要である.脱水も曲げもスラブの沈み込みにともなって定常的に起こるので,スラブ内地震もコンスタントに発生することになる.
上盤側プレート内地震は,内陸の地殻浅部で起こる場合が多い.1995年兵庫県南部地震や2000年鳥取県西部地震が最近の例だが,いつどこで起こるかわからない.そういうところがやんちゃで気まぐれな三男に似ている.しかし上盤側には海域例えば日本海などもあり,三男がつねに直下型地震であるわけではない.また内陸だからといってそこがプレート境界である場合もまれにあり,その場合は三男でなく長男である.上盤側プレートには沈み込む海洋プレートからの力の他いろいろな力が働いている.しかし上盤側プレートには弱いところもあり強いところもあって,どこに応力が集中して臨界状態になっているかが現在のところわからない.