沈み込むプレートの地殻のはがれを発見
〜深部底付け作用を実証〜

独立行政法人防災科学技術研究所(理事長: 岡田義光)および東京大学地震研究所(所長:平田直) は、防災科学技術研究所の定常地震観測網のデータと反射法構造探査データの解析から、沈み込むプレートの表面がはがれて日本列島の地殻の底に付加する現象 ― 底付け作用 ― が進行していることを明らかにしました。

深さ10km以上での底付け作用はこれまで間接的に示されていただけですが、現在進行中の現象として明らかとなったのは初めてのことです。この発見はプレート境界の新たな変形過程を明らかにしたものであり、プレート境界地震のメカニズムを理解する上で重要な成果です。本研究成果は、7月9日に米国科学雑誌サイエンス誌にオンライン掲載されました。詳しい解説は、こちらをご覧ください。

なお、本研究の一部は、首都圏直下に沈み込むフィリピン海プレート境界面の形状やその性質を把握する目的で、「首都直下地震防災・減災特別プロジェクト」の一環として実施されました。

<掲載論文>
H. Kimura, T. Takeda, K. Obara, and K. Kasahara (2010) Seismic Evidence for Active Underplating Below the Megathrust Earthquake Zone in Japan, Science, Vol.329, 210-212, doi:10.1126/science.1187115.


首都直下地震防災・減災特別プロジェクト