議事概要

第7回(平成22年度第1回)首都直下地震防災・減災特別プロジェクト運営委員会
開催日時 平成22年9月21日(火) 13:00〜17:00
開催場所 東京大学地震研究所1号館3階 会議室

議事次第

[1] 報告

・開催の挨拶 (末廣委員長)

・配布資料、出席者の確認 (事務局)

・新研究員等の自己紹介 (事務局)

・前回議事録の確認 (事務局)【首22-1-2】

・文科省挨拶(文部科学省)【首22-1-3】

・中間評価報告(平田)【首22-1-22】

・サブプロジェクト間の連携報告(纐纈、酒井)【首22-1-23】

・本プロジェクトのまとめに向けて(平田)【首22-1-24】

・地震研共同利用・特定共同研究の公募の登録(平田)【首22-1-4】

[2] 議事

研究計画 (平成22年度の実施計画と進捗状況について)

1.地震計を用いた自然地震観測によるプレート構造調査

1-1 地震計を用いた自然地震観測によるプレート構造調査 (地震研、笠原)【首22-1-5】

1-2 伊豆衝突帯の地震活動調査によるプレート構造調査研究(温地研、明田川)【首22-1-6】

1-3 統合処理によるプレート構造調査研究及びデータ保管(防災科研、木村)【首22-1-7】

2.制御震源を用いた地殻構造探査

2-1 稠密発震反射法地震探査による地殻構造調査研究(地震研、佐藤)【首22-1-8】

2-2 自然地震波干渉法による地殻・上部マントル構造調査研究(地震研、佐藤)【首22-1-9】

2-3 首都圏下のプレート相互作用を考慮した地殻・上部マントル構造解析研究(地震研、佐藤)【首22-1-10】

2-4 長時間地殻変動からみた首都圏下の地殻構造調査研究(千葉大、佐藤)【首22-1-11】

3.歴史地震等の記録の収集、整理及び再評価

3-2 東北地方の地震記象を用いた首都圏の過去地震の調査研究(東北大、海野)【首22-1-12】

3-4 被害記録による首都圏の歴史地震の調査研究(地震研、都司)【首22-1-13】

3-5 液状化痕等による首都圏の古地震の調査研究(地震研、佐竹)【首22-1-14】

3-6 考古遺跡における液状化痕データの収集並びにデータベース化(地震研、佐藤)【首22-1-15】

3-7 過去地震の類型化と長期評価の高度化に関する調査研究(地震研、佐竹)【首22-1-16】

4.震源断層モデル等の構築

4-1 強震動予測手法と地下構造モデルに関する調査研究(地震研、纐纈)【首22-1-17】

4-2 震源断層モデルの高度化に関する調査研究(京大防災研、岩田)【首22-1-18】

4-3 強震観測研究の高度化に関する調査研究(防災科研、藤原)【首22-1-19】

4-4 地盤構造モデルの高度化に関する調査研究(東工大、山中(翠川委員代理))【首22-1-20】

4-5 震源断層モデル等の構築に関する共同研究(地震研、纐纈)【首22-1-21】

その他

・米国地球物理学連合秋季大会における関連セッションについて(平田、楠城)【首22-1-25】

・運営委員会総評


配布資料一覧

首22-1-1 委員名簿・出席者リスト

首22-1-2 前回議事録案

首22-1-3 文科省挨拶

首22-1-4 地震研共同利用・特定共同研究の公募

首22-1-5 地震計を用いた自然地震観測によるプレート構造調査

首22-1-6 伊豆衝突帯の地震活動調査によるプレート構造調査研究

首22-1-7 統合処理によるプレート構造調査研究及びデータ保管

首22-1-8 稠密発震反射法地震探査による地殻構造調査研究

首22-1-9 自然地震波干渉法による地殻・上部マントル構造調査研究

首22-1-10 首都圏下のプレート相互作用を考慮した地殻・上部マントル構造解析研究

首22-1-11 長時間地殻変動からみた首都圏下の地殻構造調査研究

首22-1-12 東北地方の地震記象を用いた首都圏の過去地震の調査研究

首22-1-13 被害記録による首都圏の歴史地震の調査研究 (本文) (図)

首22-1-14 液状化痕等による首都圏の古地震の調査研究

首22-1-15 考古遺跡における液状化痕データの収集並びにデータベース化

首22-1-16 過去地震の類型化と長期評価の高度化に関する調査研究

首22-1-17 強震動予測手法と地下構造モデルに関する調査研究

首22-1-18 震源断層モデルの高度化に関する調査研究

首22-1-19 強震観測研究の高度化に関する調査研究

首22-1-20 地盤構造モデルの高度化に関する調査研究

首22-1-21 震源断層モデル等の構築に関する共同研究

首22-1-22 中間評価報告

首22-1-23 サブプロジェクト間の連携報告

首22-1-24 本プロジェクトのまとめに向けて

首22-1-25 米国地球物理学連合秋季大会における関連セッションについて

出席者

委員

1.研究実施機関研究者

東京大学地震研究所 教授 平田 直

東京大学地震研究所 特任教授 笠原敬司

東京大学地震研究所 教授 小原一成

東京大学地震研究所 教授 佐藤比呂志

東京大学地震研究所 教授 佐竹健治

東京大学地震研究所 教授 纐纈一起

東京大学地震研究所 准教授 都司嘉宣

東京大学地震研究所 准教授 酒井慎一

2.再委託先機関研究者

神奈川県温泉地学研究所 研究課長 明田川保

防災科学技術研究所 主任研究員 木村尚紀

防災科学技術研究所 プロジェクトディレクター 藤原広行

千葉大学大学院理学研究科 教授 佐藤利典

東北大学大学院理学研究科 教授 海野徳仁

京都大学防災研究所 教授 岩田知孝

東京工業大学大学院総合理工学研究科 准教授 山中浩明(翠川委員代理)

地震予知総合研究振興会 解析部長 松浦律子

産業技術総合研究所活断層地震研究センター 杉山雄一

3.上記以外の有識者

IODP(国際統合深海掘削計画)MI(国際管理法人) 代表 末廣 潔 (委員長)

東北大学大学院理学研究科 名誉教授/客員教授 長谷川 昭

地震予知総合研究振興会 センター所長 阿部勝征

北海道大学大学院理学研究院 教授 村上 亮

東京都総務局 企画調整担当部長 細渕順一

横浜市消防局 危機管理室長 荒井 守

気象庁 地震火山部地震情報課 課長 横田 崇

オブザーバー

委託元

文部科学省研究開発局地震・防災研究課 地震調査管理官 北川貞之

文部科学省研究開発局地震・防災研究課 係長 竹之内洋輔

文部科学省研究開発局地震・防災研究課 調査員 小林道和

文部科学省研究開発局地震・防災研究課 学術調査官 飯高 隆(東京大学地震研究所准教授)

再委託先等

神奈川県温泉地学研究所 技師 本多亮

神奈川県温泉地学研究所 技師 行竹洋平

気象庁地震火山部管理課 地震情報企画官 長谷川洋平

気象庁地震火山部管理課 地震調査連絡係長 吉田昌弘

気象庁地震火山部地震予知情報課 評価解析官 舟崎 淳

東京都総務局 防災専門員主任 渡辺秀文

東京都総務局 防災専門員 萩原弘子

東京都総務局 防災事業推進係長 望月武憲

横浜市消防局 情報技術課長 安田賢二

地震研究所・事務局

東京大学地震研究所 助教 中川茂樹

東京大学地震研究所 特任助教 楠城一嘉

東京大学地震研究所 特任研究員 パナヨトプロス・ヤニス

東京大学地震研究所 特任研究員 石辺岳男

東京大学地震研究所 特任研究員 金 幸隆

東京大学地震研究所 特任研究員 増田 徹

東京大学地震研究所研究支援チーム 係長 西村まり

議事録

〔開会〕

末廣委員長から第7回首都直下地震防災・減災特別プロジェクト運営委員会を開催する旨の発言があった。

〔議事〕

報告

・事務局から配布資料、出席者の確認があった。

・末廣委員長から前回の運営委員会の議事録について確認の要請があった。

・文部科学省・南山オブザーバから挨拶があった。続いて竹之内オブザーバから、資料21−2−3に基づいて、平成22年度予算概要について説明があった。

・平田委員から、資料21−2−4に基づいて共同利用研究について例年通り実施する旨の発言および説明があった。

研究計画(平成21年度の研究成果と平成22年度の実施計画について)

1.地震計を用いた自然地震観測によるプレート構造調査

・笠原委員から資料21−2−5に基づいて、「地震計を用いた自然地震観測によるプレート構造調査」について説明があった。

末廣委員長から、トモグラフィー結果による速度構造と震源位置との関連について質問があった。これに対し、笠原委員からトモグラフィーの分解能があがってきているので詳細な検討が期待できるという回答があった。長谷川委員から、スラブマントル内の震源位置が東北地方と比較して深いが、分解能の向上により構造との関連が明らかになると期待できるか、という質問があった。これに対し、笠原委員から研究の進展により究明するとの回答があり、酒井委員から詳細な構造が明らかになりつつあるとの補足説明があった。末廣委員長から、今後の関連研究へのインパクトとなるとのコメントがあった。

・棚田委員から資料21−2−6に基づいて、「伊豆衝突帯の地震活動調査によるプレート構造調査研究」について説明があった。

・小原委員から資料21−2−7に基づいて、「統合処理によるプレート構造調査研究及びデータ保管」について説明があった。

長谷川委員から、相似地震の積算すべり量が全体平均の2倍となっているのはばらつきなのではないかという質問があった。これに対し小原委員から、関東ではばらつきは小さく2倍と見えるのは2箇所からの寄与とするのが妥当との返答があった。末廣委員から東北地方と同様の次の小地震の予知は可能か、という質問に対して、小原委員から、同様に可能であるとの回答があり、末廣委員長から、これは大きな進歩であろうとのコメントがあった。

2.制御震源を用いた地殻構造探査

・佐藤(比)委員から資料21−2−8に基づいて、「稠密発震反射法地震探査による地殻構造調査研究」についての説明があった。

・引き続き、佐藤(比)委員から資料21−2−9に基づいて、「自然地震波干渉法による地殻・上部マントル構造調査研究」についての説明があった。

・引き続き、佐藤(比)委員から資料21−2−10に基づいて、「首都圏下のプレート相互作用を考慮した地殻・上部マントル構造解析研究」についての説明があった。

・伊藤委員、佐藤(利)オブザーバから資料21−2−11に基づいて、「長時間地殻変動からみた首都圏下の地殻構造調査研究」についての説明があった。

阿部委員から、首都直下のための研究成果であるが地理的位置から静岡県での長期変動も見えるのではないかとの質問があった。これに対し、伊藤委員から、東海地方での地殻変動も明らかになり貢献できるという回答があった。

3.歴史地震等の記録の収集、整理及び再評価

・山中委員(声帯不調につき佐竹委員が代読)から資料21−2−12に基づいて、「地震記象の収集と解析による過去地震の調査研究」についての説明があった。

末廣委員長からの英語での対応は可能かとの質問に対し、山中委員からメニューを英語にするのは可能であるとの回答があった。末廣委員長からWebサイトでアクセスできるようにしたのは大変立派であるとのコメントがあった。

・海野委員から資料21−2−13に基づいて、「東北地方の地震記象を用いた首都圏の過去地震の調査研究」についての説明があった。

・都司委員から、資料21−2−14に基づいて、「被害記録による首都圏の歴史地震の調査研究」についての説明があった。

阿部委員から、面的分布のために町方のみでなく武家屋敷についての情報はあるかとの質問があった。これに対し、都司委員から、情報はそれぞれの藩に内蔵されているので容易ではないとの返答があった。末廣委員長から、寺院の調査についての質問があり、都司委員から、寺院の番地をデータベース化してはがき調査にかかっているとの回答があった。

・佐竹委員から資料21−2−15に基づいて、「液状化痕等による首都圏の古地震の調査研究」についての説明があった。

長谷川委員から、津波痕跡が最新のものを残して3000年前まで消失している理由に関して質問があり、佐竹委員から、三浦半島は地震時に隆起し、地震間に徐々に沈降するために波浪などの浸食作用や、その後の津波の来襲により消失したためと考えられると回答があった。末廣委員長から、もっと沖合で調査すればどうかとの質問があり、佐竹委員から、今回とは別の場所での調査を検討しているとの回答があった。末廣委員長から津波痕跡を含めた研究題目について示唆があった。

・佐藤(比)委員から、資料21−2−16に基づいて、「考古遺跡における液状化痕データの収集並びにデータベース化」について説明があった。

・佐竹委員から資料21−2−17に基づいて、「過去地震の類別化と長期評価の高度化に関する調査研究」についての説明があった。

末廣委員長から、古い地震の震源深さを明らかにする重要性について指摘があった。

4.震源断層モデル等の構築

・増田オブザーバから資料21−2−18に基づいて、「強震動予測手法と地下構造モデルに関する調査研究」について説明があった。

末廣委員長から、長周期地震動の計算方法について質問があり、増田オブザーバから、PCクラスターであるとの回答があった。纐纈委員から、来年度以降は地球シミュレータを用いる予定であるとの補足があった。

・岩田委員から資料21−2−19に基づいて、「震源断層モデルの高度化に関する調査研究」の説明があった。

纐纈委員から、スラブ内地震で振幅の大きい観測点で予測が大きい結果について質問があり、岩田委員から、地盤特性の影響が考えられるとの回答があった。

・藤原委員から資料21−2−20に基づいて、「強震観測研究の高度化に関する調査研究」について説明があった。

末廣委員長から、モデルのメッシュサイズについて質問があり、藤原委員から、微地形区分は250mメッシュであるがそれでも不十分なところもあるので都市等では50mメッシュを目指したいとの回答があった。

・翠川委員から資料21−2−21に基づいて、「地盤構造モデルの高度化に関する調査研究」についての説明があった。

末廣委員長から、大量なデータを取り扱い解析することについて質問があった。これに対し、翠川委員から、主に山中准教授(東工大)が担当されているが大変な苦労を伴うとの返答があった。

増田オブザーバから資料21−2−22に基づいて、「震源断層モデル等の構築に関する共同研究」について説明があった。

末廣委員長から、アウターライズの地震は深さの違いが観測に現れているのかという質問があった。これに対し、増田オブザーバから震源過程の違いが主要因であるという回答があった。

その他

・平田委員から、資料21−2−23に基づいて、「首都直下地震防災・減災特別プロジェクト」研究委託業務に係る成果報告について、スケジュールと概要等の説明があった。中川オブザーバから報告書で明示する事項等について補足説明があった。

・酒井委員から、資料21−2−24に基づき、4月に予定されている「首都直下地震防災・減災特別プロジェクト」中間成果報告会について説明があった。また、同じく4月下旬に予定されているワークショップについて説明があった。

・酒井委員から資料21−2−25に基づいて、地震研究所彙報の首都直下特集号について報告があった。

・酒井委員から資料21−2−26に基づいて、日本地球惑星科学連合2010年大会における首都直下セッションについて案内があった。

・酒井委員から資料21−2−27に基づいて、3月に予定されている研究集会,南カリフォルニア地震センターと東京大学地震研究所合同のワークショップ、東京大学シンポジウム,特定共同研究(B)研究集会について説明があった。

・細渕委員から、プロジェクト全体についてコメントがあり,当プロジェクトの成果を実務に取り入れるべく作業中である旨報告があった。

・荒井委員から、プロジェクト全体についてコメントがあり,横浜市のオリジナリティのある防災への取り組みの紹介があった。末廣委員長から研究成果と防災とのリンクについてコメントがあった。

・長谷川委員から、プロジェクト全体についてコメントがあった。5年間で達成するものが目に見えてきているとの発言があった。

・土井オブザーバから、プロジェクト全体についてのコメントがあった。気象庁として協力できるものもあり、気象庁の業務の高度化にもつながる成果を期待している、との発言があった。

・村上委員から、プロジェクト全体についてのコメントがあった。特に、興味がある科学的な結果だけでなく防災を意識した結果も出つつあるとの意見があった。また、啓発の仕方に関する提案が本プロジェクトを基に言えれば良いのではとのコメントがあった。

・末廣委員長から、皆さんの意見への賛意の発言があった。

・南山オブザーバから、6月に予定されている中間評価を踏まえ、実施計画と研究成果との結びつきが明瞭であること、社会に役立つことのアピールの重要性等のコメントがあった。

〔閉会〕

・末廣委員長から挨拶があり、閉会した。