議事概要

第8回(平成22年度第2回)首都直下地震防災・減災特別プロジェクト運営委員会
開催日時 平成23年2月21日(火) 13:30〜17:30
開催場所 東京大学地震研究所1号館3階 会議室

議事次第

[1] 報告

・開催の挨拶 (末廣委員長)

・配布資料、出席者の確認 (事務局)

・前回議事録の確認 (事務局)【首22-2-2】

・文科省挨拶(文部科学省)【首22-2-3】

・共同利用報告(平田)【首22-2-4】

[2] 議事

研究計画 (平成22年度の実施計画・進捗状況と平成23年度の実施計画について)

1.地震計を用いた自然地震観測によるプレート構造調査(平田)【首22-2-5】

2.制御震源を用いた地殻構造探査(佐藤)【首22-2-6】

3.歴史地震等の記録の収集、整理及び再評価(佐竹)【首22-2-7】

4.震源断層モデル等の構築等(纐纈)【首22-2-8】

[3] 最終成果のとりまとめに向けて(平成23年度の実施計画)

1.最終成果のとりまとめ及び最終成果報告会(文科省) 【首22-2-10】

1−2.首都直下地震動情報の利用促進に関する作業部会について(酒井) 【首22-2-10-2】

2.平成23年度の研究実施スケジュール(平田) 【首22-2-11】

3.首都直下地震の地震像について(平田)【首22-2-12】

[4] その他

・平成22年度成果報告書の作成(平田) 【首22-2-15】

・地球惑星科学連合2011年大会首都直下セッション(酒井)【首22-2-16】

・運営委員総評


配布資料一覧

首22-2-1 委員名簿・出席者リスト

首22-2-2 前回議事録案

首22-2-3 予算案等について

首22-2-4 地震研共同利用・特定共同研究の公募

首22-2-5 地震計を用いた自然地震観測によるプレート構造調査

首22-2-6 制御震源を用いた地殻構造探査

首22-2-7 歴史地震等の記録の収集、整理及び再評価

首22-2-8 震源断層モデル等の構築等

首22-2-10 最終成果のとりまとめ及び最終成果報告会

首22-2-10-2 首都直下地震動情報の利用促進に関する作業部会について

首22-2-11 長時間地殻変動からみた首都圏下の地殻構造調査研究

首22-2-12 首都直下地震の地震像について

首22-2-15 平成22年度成果報告書の作成

首22-2-16 地球惑星科学連合2011年大会首都直下セッション

出席者

委員

1.研究実施機関研究者

東京大学地震研究所 教授 平田 直

東京大学地震研究所 特任教授 笠原敬司

東京大学地震研究所 教授 小原一成

東京大学地震研究所 教授 佐藤比呂志

東京大学地震研究所 教授 佐竹健治

東京大学地震研究所 教授 纐纈一起

東京大学地震研究所 准教授 酒井慎一

東京大学地震研究所 准教授 都司嘉宣

2.再委託先機関研究者

神奈川県温泉地学研究所 研究課長 明田川保

防災科学技術研究所 主任研究員 木村尚紀

防災科学技術研究所 プロジェクトディレクター 藤原広行

千葉大学大学院理学研究科 教授 佐藤利典

名古屋大学大学院環境学研究科 准教授 山中佳子

東北大学大学院理学研究科 教授 海野徳仁

京都大学防災研究所 教授 岩田知孝

東京工業大学大学院総合理工学研究科 准教授 山中浩明(翠川委員代理)

地震予知総合研究振興会 解析部長 松浦律子

産業技術総合研究所活断層地震研究センター 主幹研究員 杉山雄一

3.上記以外の有識者

(委員長)

IODP(国際統合深海掘削計画)MI(国際管理法人) 代表 末廣 潔

(委員)

東北大学大学院理学研究科 名誉教授/客員教授 長谷川 昭

北海道大学大学院理学研究院 教授 村上 亮

地震予知総合研究振興会 センター所長 阿部勝征

東京都総務局 防災事業推進係長 望月武憲(細淵委員代理)

横浜市消防局 情報技術課長 安田賢二(荒井委員代理)

気象庁 地震火山部地震予知情報課 評価解析官 舟崎 淳(横田委員代理)

オブザーバー

(委託元)

文部科学省研究開発局地震・防災研究課 課長 鈴木良典

文部科学省研究開発局地震・防災研究課 地震調査管理官 北川貞之

文部科学省研究開発局地震・防災研究課 係長 菊池久美子

文部科学省研究開発局地震・防災研究課 調査員 小林道和

文部科学省研究開発局地震・防災研究課 学術調査官 飯高 隆(東京大学地震研究所准教授)

(再委託先等)

神奈川県温泉地学研究所 技師 本多亮

気象庁地震火山部管理課 地震情報企画官 長谷川洋平

東京都総務局 防災専門員主任 渡辺秀文

東京都総務局 防災専門員 萩原弘子

(地震研究所・事務局)

東京大学地震研究所 助教 中川茂樹

東京大学地震研究所 特任助教 楠城一嘉

東京大学地震研究所 特任研究員 パナヨトプロス・ヤニス

東京大学地震研究所 特任研究員 金 幸隆

東京大学地震研究所 特任研究員 増田 徹

東京大学地震研究所研究支援チーム 係長 西村まり

議事録

〔開会〕

末廣委員長から第8回首都直下地震防災・減災特別プロジェクト運営委員会を開催する旨の発言があった。

〔議事〕

報告

・事務局から配布資料、出席者の確認があった。

・事務局から前回の運営委員会の議事録に関して確認の要請があった。

・文部科学省・北川オブザーバーから挨拶があった。文部科学省・菊池オブザーバーから、資料22−2−3に基づいて、平成23年度予算概要について説明があった。

・平田委員から、資料22−2−4に基づいて、平成23年度地震研究所共同利用・特定共同研究(C)についての説明があった。

研究計画(平成22年度の実施計画と進捗状況と平成23年度の実施計画について)

1.地震計を用いた自然地震観測によるプレート構造調査

酒井委員から資料21−1−5に基づいて、「地震計を用いた自然地震観測によるプレート構造調査」について説明があった。

長谷川委員から、プレート境界の位置、将来地震の起こる場所とVp/Vsとはどのような関係があるかという質問があった。

酒井委員から、Vp/Vsが大きいところでは地震が発生しにくいと考えているとの回答があった。

長谷川委員から、Vp/Vs以外の要因について指摘があった。

海野委員から、トモグラフィーのグリッド点での値と平滑化についての質問があった。

酒井委員から、平滑化は隣接点だけではないとの回答があった。

末廣委員長から、震源断層位置の特定に関して、プロジェクトチームとしての基準を明確にする重要性について指摘があった。

2.制御震源を用いた地殻構造探査

佐藤(比)委員から資料22−2−6に基づいて、「制御震源を用いた地殻構造調査研究」についての説明があった。

長谷川委員から、高速度領域とフィリピン海プレートとの位置関係について質問があった。

佐藤(比)委員から、フィリピン海プレートの上部に安山岩質貫入岩の付加した高速度領域があり、その狭い所に地震が集中しているとの回答があった。

長谷川委員から、関東地震との関連において重要な課題だとのコメントがあった。

末廣委員長から、1.地震計を用いた自然地震観測によるプレート構造調査からの成果と、2.制御震源を用いた地殻構造探査からの成果を総合してわかりやすい手順を示すことについてコメントがあった。

3.歴史地震等の記録の収集、整理及び再評価

佐竹委員から資料22−2−7に基づいて、「歴史地震等の記録の収集、整理及び再評価」についての説明があった。

平田委員から、首都圏で発生した地震について、大正型、元禄型以外の地震が混在する可能性に関して質問があった。

佐竹委員から、内陸の地震が混在する可能性が指摘された。

4.震源断層モデル等の構築

纐纈委員から、資料22−2−8に基づいて、「震源断層モデル等の構築」について説明があった。

5.サブプロ間連携

酒井委員から、サブプロ間連携に関して、サブプロジェクト@の成果をサブプロジェクトAに提供し、サブプロジェクトAではE−ディフェンスを用いて、免震構造の建物への地震動の影響と、室内の家具等の固定の効果に対する評価についての実験が行われたことの説明があった。

末廣委員長から、大型振動台の実験はどのような計画であったかという質問があった。

平田委員から、サブプロジェクトAのE−ディフェンスを用いた地震対策の研究に、サブプロジェクト@から入力地震動を提供しているとの回答があった。

末廣委員長から、地震動のゆれの影響評価は最も注目される課題とのコメントがあった。

最終成果のとりまとめに向けて(平成23年度の実施計画)

1.最終成果のとりまとめ及び最終成果報告会

文部科学省鈴木オブザーバーから、資料22−2−10に基づいて、「最終成果のとりまとめ及び最終成果報告会」について説明があった。

末廣委員長から、成果が社会に役に立つよう還元することへ期待するとの発言があった。

1-2.首都直下地震動情報の利用促進に関する作業部会について

酒井委員から、資料22−2−10−2に基づいて、「首都直下地震動情報の利用促進に関する作業部会に関する内規」について説明があった。

舟崎委員代理から、気象庁の発信する緊急地震速報との関係について質問があった。

酒井委員、平田委員から、緊急地震速報とは異なるとの回答があった。

阿部委員から、「情報」を「に関する成果」と変更してはどうかとのコメントがあった。

村上委員から、作業部会に自治体を含めてはどうかとのコメントがあった。

平田委員から、作業部会では地震動波形の利活用を目標としており自治体は含めていない旨の回答があった。

望月委員代理から、作業部会のアウトプットをマスコミに知らせるかとの質問があった。

平田委員から、運営委員会の中の作業部会という位置づけでありその様な事はないとの回答があった。

安田委員代理から、作業部会の活動について質問があった。

平田委員から、耐震設計の専門家に入ってもらいご意見を頂くとの回答があった。

末廣委員長から、紛らわしい言葉は避け、趣旨を明らかにすることが望ましいとのコメントがあった。

文部科学省小林オブザーバーから補足説明があった。

内規案について委員全員に諮った結果、全会一致で承認された。

作業部会の委員および主査の候補について紹介があった。

作業部会の委員および主査について委員全員に諮った結果、全会一致で承認された。

事務局で名称を検討した結果、「首都直下地震動研究成果の利用促進に関する作業部会」とすることとした。

2.平成23年度の研究実施スケジュール

平田委員から、資料22−2−11に基づいて、「平成23年度スケジュール」について説明があった。

文部科学省小林オブザーバーから、次年度はプロジェクトの最終年度であり、業務は3月末で完了する旨の補足説明があった。

3.首都直下地震の地震像について

酒井委員から、資料22−2−12に基づいて、「首都直下地震の地震像」について説明があった。

長谷川委員から、マグニチュード7程度の地震の発生に関して、多くの人が納得できる説明がなければならないので、サブテーマ間で連携し現在の知見を総動員して取り組んでほしいとのコメントがあった。

末廣委員長から、論理的に説明されるモデルを期待するとのコメントがあった。

4.地震動の計算について

纐纈委員から、「地震動の計算」について説明があった。

末廣委員長から、震源モデルの構築と地震動計算と連携して成果を出してほしいとのコメントがあった。

平田委員から、中央防災会議で東京湾北部地震が検討された時期よりそれぞれの分野で研究が進んでおり、より論理的なモデル構築を目指す旨の回答があった。

5.平成23年度のサブプロ間連携の推進

酒井委員から、「平成23年度のサブプロ間連携」について説明があった。

文部科学省小林オブザーバーから補足説明があった。

末廣委員長から、プロジェクト・マネジメントの下、役割分担とチームワークで成果を出してほしいとのコメントがあった。

その他

平成22年度成果報告書の作成

平田委員から、資料22−2−15に基づいて、「平成22年度成果報告書の作成」について説明があった。

地球惑星科学連合2011年大会首都直下セッション

酒井委員から、資料22−2−16に基づいて、「地球惑星科学連合2011年大会首都直下セッション」について説明があった。

運営委員総評

舟崎委員代理から、プレートの状況等の成果を気象庁の資料に反映させたいとのコメントがあった。

杉山委員から、研究分担者であった当初から難しい課題である印象であったが、研究成果発表の表現を工夫すれば皆が理解できる成果が得られているとのコメントがあった。

阿部委員から、科学的成果と防災とのかかわりについてのコメントがあった。

村上委員から、今後のプロジェクトもこれと同様に進展するであろうとの印象をもつが、自治体の意見を取り入れ地域防災計画に反映される等、 成果の社会還元をとおして科学が社会に役立つことを示すことが求められるとのコメントがあった。

長谷川委員から、これまであやふやであった首都直下地震の地震像を明らかにするのは難しい課題であるが、今までの全ての知見を総合して最良の成果を産み出してほしいとのコメントがあった。

安田委員代理から、科学的成果を建築、土木にどのように活かしてゆくか、防災計画にとのように取り入れてゆくか、さらに一般市民にどのようにして周知してゆくかついてのコメントがあった。

望月委員代理から、中央防災会議より新たな知見によるモデルであり、防災対策への反映を検討したいとのコメントがあった。

平田委員から、最終的に300に近い観測点が整備されることは世界的な成果であり、豊富なデータが得られているので、最終年度にあたり、成果をわかりやすく報告できるように今後も研究を進めるとの説明があった。

〔閉会〕

・末廣委員長から挨拶があり、閉会した。