(東京大学地震研究所共同利用研究集会 / 東京大学21世紀COEプログラム共催)
ポスター
菊地正幸教授記念シンポジウムは無事終了しました
菊地正幸教授記念シンポジウム−次世代の地震学に期待すること−は平成16年11月1日,2日に東京大学弥生講堂において開催されました.プログラム通り初日5人,2日目16人の方に講演していただき,初日142人,2日目129人の参加者も含め活発な議論が行われました.10日前に発生した新潟県中部地震の臨時観測やデータ処理等で忙しく,参加出来なかった方も多数いらっしゃたことは若干残念でしたが,それでも多くの方に参加していただき本当にありがとうございました.
今回のシンポジウムはタイトルに示すとおり菊地先生の業績をしのびつつ,次世代への展望を議論するために企画されました.多くの講演者によって菊地先生の業績が紹介され,また先生がまいた種が亡くなった後も順調に実を結びつつあることも報告されました.理論研究,データ解析,工学的応用から社会貢献へとつながる講演は,あらためて菊地先生が展開した研究分野の広さを認識させるものでした.またそれぞれの講演者には各分野の的確なサマリとともに,いつも以上に今後の展望を語っていただきました.2日目は各20分という短い講演時間のため,時間に収まらない議論もあり,実行委員会としては申し訳ありませんでしたが,その分密度の高いシンポジウムになったと思います.参加者には多かれ少なかれ今後の展望を共有していただけたのではないでしょうか.その意味でシンポジウムの目的は達せられたと感じております.
なお,このシンポジウムは東京大学地震研究所共同利用研究集会,東京大学21世紀COEプログラムとして開催され,また地震予知事業費からの資金援助を受けました.記して感謝いたします.
平成16年11月2日
実行委員一同
このシンポジウムに参加した学部生,大学院生からの感想(2005/01/05UP)
新潟県中越地震災害義援金について
当シンポジウム期間中,皆様にご協力いただいた新潟県中越地震災害義援金は32,682円になりました.
皆様のご理解とご厚志に心より御礼申し上げます.
「懇親会(しのぶ会)」の残額とあわせ,計46,232円を「菊地正幸教授記念シンポジウム参加者」として日本赤十字社新潟支部へ11月12日に送金しました.
ご協力ありがとうございました.(有志一同)
11月1日 | 座長:佐竹健治・遠田晋次 | |
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13:00-13:10 | 開会 | 山下輝夫(地震研究所所長) |
13:10-14:00 | From Crack Propagation to Earthquake Early Warning | 金森博雄(カリフォルニア工科大学) |
14:00-14:40 | Large Interplate Thrust and In-slab Normal-Faulting Earthquakes in the Mexican Subduction Zone, and Their Possible Stress Diffusion and Interactions | 三雲健(メキシコ国立自治大学) |
14:40-15:00 | ||
15:00-15:40 | 特性化震源モデルによる強震動予測 | 岩田知孝(京都大学防災研究所) |
15:40-16:20 | 高密度強震計ネットワークからわかったこと | 翠川三郎(東京工業大学大学院総合理工学研究科) |
16:20-17:00 | これから何が面白い? | 藤井直之(名古屋大学大学院環境学研究科) |
18:00-20:00 | しのぶ会 at 山上会館 | |
11月2日 | 座長:古村孝志・三宅弘恵 | |
9:20- 9:40 | 亀裂伝播の理論的研究と地震学 | 亀伸樹(九州大学大学院理学府) |
9:40-10:00 | 地震の動的破壊過程と破壊エネルギーのスケール依存性 | 井出哲(東京大学理学系研究科) |
10:00-10:20 | 小さなアスペリティの破壊が教えてくれること:地震発生予測の高度化に向けて | 松澤暢(東北大学大学院理学研究科) |
10:20-10:40 | 関東のサイスモテクトニクス再考:”常識”を疑ってみる | 遠田晋次(産業技術総合研究所 活断層研究センタ−) |
10:40-11:00 | ||
11:00-11:20 | 海溝型地震の発生履歴と長期予測 | 佐竹健治(産業技術総合研究所 活断層研究センタ−) |
11:20-11:40 | 測地学的固着域 vs. アスペリティマップ:地震像のより正確な予測へ向けて | 鷺谷威(名古屋大学大学院環境学研究科) |
11:40-12:00 | 地震時すべりと非地震性すべりの相補関係 | 八木勇治(建築研究所国際地震工学センター) |
12:00-12:20 | 海底で地震を眺めると | 日野亮太(東北大学大学院理学研究科) |
12:20-13:20 | ||
座長:鷺谷威・八木勇治 | ||
13:20-13:40 | 重力波地震学で探るブラックホールの破壊過程 | 勝俣啓(北海道大学大学院理学研究科) |
13:40-14:00 | 内陸の不均質構造と地震発生 | 飯尾能久(京都大学防災研究所) |
14:00-14:20 | 強震波形解析から見た震源の階層構造 | 三宅弘恵(東京大学地震研究所) |
14:20-14:40 | 関東の被害地震と強震動:大規模数値シミュレーションによる未来の地震被害予測と過去の地震メカニズムの解明 | 古村孝志(東京大学地震研究所) |
14:40-15:00 | ||
15:00-15:20 | 大規模強震観測網 −現状と未来展望− | 功刀卓(防災科学技術研究所) |
15:20-15:40 | リアルタイム地象学 −社会は基礎科学を必要とす− | 束田進也(気象庁地震火山部) |
15:40-16:00 | 即時地震情報を防災にいかす | 林能成(名古屋大学災害対策室) |
16:00-16:20 | 理学的探求と社会的活用のはざまで思うこと | 武村雅之(鹿島建設小堀研究室) |
16:20-16:30 | 閉会 | 実行委員会 |
- 菊地教授記念シンポジウム実行委員会
- 東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻 井出哲 (ide@eps.s.u-tokyo.ac.jp)
- 東京大学地震研究所 土井恵治 (keijidoi@eri.u-tokyo.ac.jp)
- 東京大学地震研究所 山中佳子 (sanchu@eri.u-tokyo.ac.jp)
- 東北大学大学院理学研究科地震・噴火予知研究観測センター 松澤暢 (matuzawa@aob.geophys.tohoku.ac.jp)