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9月26日夕刊
●宮古測候所は五時四十四分、宮古湾で約60センチの潮位変化を観測。
宮古市津軽石中学は授業を一時間遅らせた。海に面した白浜地区の生徒十二人は自宅待機が続いている。赤前地区の水門を閉鎖しようとした消防団員の男性(56)は足を負傷し病院に運ばれた。
●久慈市の観測計器では、午前七時二十五分に玉の脇漁港で132センチの最大波を確認した。
久慈市では午前五時に防災無線で自主避難を広報した。湊町の「高台の神社には約五十人が集まった。同町の佐々木孝一さんは「揺れが長く気持ち悪かった」と不安げ。
●種市漁港では午前5時六分に三十センチの潮位変化を観測。午前五時五十分までに沿岸十三町村すべてで第一波を観測した。
● 各市町村の潮位観測システムや目視情報による最初の潮位変化は、田老町60cm、
久慈市小袖50センチ、野田港50センチ、普代村田名部五十センチ、岩泉町小本港50センチ、田野畑村島越五十センチ、山田町船越42センチ、釜石港40センチ、陸前高田市只出三十センチ、大船渡港二十センチ、大槌漁港二十センチなど。
●田野畑村では午前四時56分、防災無線を通じて島越、羅賀地区の沿岸にすむ五百世帯に避難勧告を出し、七十人が避難した。五時四十分ごろ監視カメラで潮位の急速な変化(1メートルほどの引き潮)が確認されたため、再び海岸付近住民に避難勧告が発令された。避難勧告は七時十五分に解除された。海沿いの道路は消防団員が交通規制をした。ホテル羅賀荘の宿泊客約百五十人は一時五階に移動した。大きな被害は確認されなかった。
●田野畑村では五百所帯に避難勧告が出た。久慈市や田老町の住民は高台や集会施設に自主避難。漁船も沖に避難。水門が閉鎖された。
● 八戸市では午前5時四十四分に六十センチの津波第一波を観測。午前八時十七分には最大波一メートルを観測した。八戸海上保安部では巡視艇を出動させ沿岸部を調査したが異常はなかった。
● 種市漁港では防波堤の上から消防署員が六人態勢でラジオを聞きながら潮位の変化を監視。同漁港では潮位は最大で70センチに達した。
● 閉伊川で逆流現象・宮古
宮古市の閉伊川河口付近は、二十六日午前5治四十五分頃第一波と見られる津波が来襲し、上流に向かって逆流現象が起きた。河口付近にある宮古大橋の耐震工事のため、業者が上流の同市向町の宮古橋に設置した潮位計は、5時53分頃水位が70センチ上昇。6時すぎには一転、下流に向かって激しく流れ出し、六時五分ごろには水が干上がって川底が現れた。しかし30秒後にはふたたび逆流を始めた。宮古橋付近ではゴーという音とともに何度も上げ潮下げ潮を繰り返した。住民らは堤防の内側から川の状況を見守り、「河口でこんなに音を立てて水が流れるのは初めて見た」と不安げに語っていた。
● 宮古市閉伊川に宮古漁協が設置しているサケの川留め漁の網が津波で川が逆流した影響で、幅100メートルにわたって倒壊した。
● 山田町の大沢漁協によると、浜川目地区などのカキやホタテの養殖棚約四十台に被害が出ている模様だ。道又純総務課長は、
「潮位の変化を受けやすい山田湾の北部を中心に被害が出ているようだ被害確認や復旧はこれからだが、カキの出荷が始まったばかりで心配だ」と語った。
● 県道重茂(おもえ)半島線(宮古市稲荷橋ー堀内、約3km)は、津波警戒のため通行禁止となった。釜が沢地区で約300m冠水した。
●大船渡市では五十人が自主的に避難した。午前五時四十九分に約二十センチの潮位変動を観測。船渡振興局土木部によると港湾や道路などの被害はない。
● 陸前高田市の潮位観測システムによると、午前七時三十五分に小友町の両替漁港で九十センチの津波を観測。沿岸地域の小中学
校十一校の児童生徒は注意報解除まで自宅待機となった。気仙町湊の養殖漁業菅野克郎さんは「いくらか海面があがった。養殖施設が心配だ」と海面を見守った。
○ 安全確認のため八戸自動車道は一戸・八戸インター上下線が午前六時十一分から約一時間十五分間通行止めとなった。このほか県内の高速道路は一時通行規制を行った。
● 釜石漁港の水門を管理している新浜町では住民五十人が水門二十一基を閉鎖した。釜石海上保安部によると、午前5時四十八分に確認された第一波が四十センチで最大波。
○ 釜石市大平町の県オイルターミナルは地震による被害はなかった。
9月27日朝刊
● 陸前高田市では広田湾奥の小友町周辺の養殖施設に被害が集中した。小友漁業協同組合員所有のカキ、ホタテの養殖施設約480台のうち「7割程度に影響が出ている模様」(同漁協)で被害額の把握には数日かかる見通し。小友町獺沢沖の海上からは養殖イカダが整然とならぶ光景が消えた。ロープが切れるなどしてイカダが団子状態になったほか、横倒しに成ったイカダもあった。
四十台余の施設でカキ養殖をする千田晃さん(30、小友町字塩谷)は「沖漁場の9割、岸漁場の六,七割はやられた。北海道東方沖地震の時よりひどいぐらいだ」と話し、「三年かけて育てて一日で持って行かれた」とショックを隠せない。ホタテ養殖の佐藤好一さんは「挙げてみないとわからないが全滅に近いのでは」と落胆している。
● 宮古市では宮古湾の牡蠣養殖施設300台を直撃。「半分はやられたのでは」(宮古漁協)とみられる。
● 山田町大沢の浜川目では、特産の一粒カキ本格出荷を前にカキ、ホタテの養殖棚が次々に損壊。養殖棚は通常約100メートルの延縄が約20メートル間隔で並ぶが津波で押し流された。
● 大船渡湾では赤崎漁協のホタテやカキのはえなわ式養殖設備八十台が壊滅。ロープが切れたりブロックが動くなどして団子状に絡まり漂流した。被害額は四千万円異常になると見られる。同漁協では「無傷の設備はなかった」としている。
9月28日朝刊
● 宮古市水産課のまとめでは、カキ、ホタテの養殖棚計326台のうち大破は263台で80.7%。のこり六十三台は中小破。1994年の北海道東方沖地震の時には350台が大破し2億七千八百万円だった。宮古市水産課の小野寺繁樹係長は「施設撤去、復旧支援などを検討したい」としている。
岩手日報