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地震研究所談話会 第839回 (2006年 5月)

浅くならなかった最近の伊豆半島東方沖群発地震

東京大学地震研究所 地震地殻変動観測センター 酒井慎一

1978年から伊豆半島東部伊東市周辺では群発地震活動が毎年のように発生していたが、1998年5月以降は静かな状態が続いていた。しかし2006年は1月、2月、3月と徐々に活動度を高め、4月17日からの活動ではM5.8を含む活発なものになった。地震活動は深部から始まり徐々に浅くなる、活発な時期と不活発な時期が繰り返される、以前の活動と同じ面状に分布するが重ならない、主な地震の発震機構解は横ずれ型であるが地震の並びはその断層面と一致しない、活動後期には大きめな地震が発生するなど、これまでの活動との共通点も多いが、今回の活動は7〜10kmの深さで発生し、周辺部でもいくつか大きめの地震が発生したという違いがある。

図1 伊豆半島の地震観測点(▼:地震研究所、▲:名古屋大学、●:気象庁、◆:防災科学技術研)と伊豆半島東部伊東市周辺拡大図(2000年以降の地震活動を色別に表示)。

(左)図2 図1の矩形における1990年代の地震の断面図(桃:1993年1月、緑:1993年5月、水色:1995年9月、青:1995年10月、灰色:1996年10月、赤:1997年3月、黒:1998年4月)。

(右)図3 図1の矩形における2000年代の地震の断面図(桃:2002年5月、緑:2003年6月、水色:2004年4月、青:2006年1月、灰色:2006年2月、赤:2006年3月、黒:2006年4月)。

ニュースレター2006年6月号

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