公開講義・一般公開の案内は都下23区の広報紙,商業紙の読者欄で宣伝するとともに,学内の広報誌や全国の大学の地球科学系学科にお願いして掲示していただいたポスター等で宣伝している.更に,東京及び隣接県の高校や都道府県庁の防災関係課へは一般公開と公開講義案内のダイレクトメールも出している.これらによって,例年多くの方面の方々から多くの聴講希望が集まる.
毎回幅広い年齢層の方々に聴講していただいている.最も多いのは40歳代で社会的に多忙な年代ながらわざわざ聴講していただいたことを講師をはじめ所員一同大変喜んでいる.また,10歳代の若い学生・生徒の聴講も目立ち,将来当研究所で研究を推進する人材が聴講者から生まれる可能性も大いにあることを大変喜ばしく思う.受講者の大半は東京とその隣接の千葉,埼玉,神奈川県在住者であるが,県庁や市役所の防災関係者を中心に近畿,中国,九州地方などの遠方からの聴講もあった.公務員,教員,会社員,主婦,学生・生徒等様々な分野の方々に受講されている.
2000年は7月27日に東京大学安田講堂で約330名の受講者が参加して行われた.聴講後のアンケート結果によると,「講義を聴いて良かった」,「来年も聴講したい」との多くの好意的な意見の一方で,「もっとわかりやすく」,「焦点を絞った話を聞きたい」等の内容の充実を望む声もあり,こうした一般の方々からの期待に今後とも応えていく事が必要であろう.
展示の中では,例年のように,学生と教官の共同で行った特別企画によるさまざまな実験や有珠・三宅の活動が注目を浴びたようである.幅広い年齢層の参加者から,面白い,わかりやすい,という感想を受けていた.また,今年度より,ほぼ全ての展示内容の概要や詳細のホームページが作成され,地震研ホームページに一般公開の特設リンクが設けられた.ホームページをより充実させる機会,という一般公開の新しい役割も期待されている.
東京大学地震研究所彙報別冊(不定期刊) 創刊 1934年, 最新号 第8号 1992年
東京大学地震研究所研究速報(不定期刊) 創刊 1943年, 最新号 第14号 1974年
地震研究所広報(3カ月に1回程度) 創刊 1992年, 最新号 第32号 2001年3月
地震研究所年報 創刊 1993年, 最新号 第8号 2001年4月
東京大学地震研究所技術報告 創刊 1996年, 最新号 第6号 2000年
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1992年 12月3日 |
「地震・火山と共に生きるために」
阿部勝征…地震を知る 井田喜明…火山を知る 太田 裕…防災の工夫 |
第1会議室 |
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1993年 7月27日 |
「地球を測る」
木下 肇…海に出て地球を眺める 村田一郎…地球を測る 吉井敏剋…日本列島の地下を探る 深尾良夫…地震の波から |
第1会議室 |
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1994年 7月29日 |
「地震・火山−どこまでわかった、何が分からない」
溝上 恵…東海・南関東地域の地震 −注目される異常活動とプレート運動 大中康誉…地震はどのように発生するか −実験による支配法則の探求 藤井敏嗣…マグマを知る −より確実な噴火予知へのキーワード |
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1995年 8月25日 |
「兵庫県南部地震に学ぶ」
島崎邦彦…内陸地震と活断層 嶋本利彦…断層と地震被害 東原紘道…都市直下地震−リスクの評価と対策 |
シビックホール |
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1996年 7月26日 |
「地震と火山−地球を知ることからはじめよう」
瀬野徹三…プレートテクトニクスと日本列島付近の地震 南 忠夫…建造物の地震被害と耐震対策 |
シビックホール |
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1997年 7月25日 |
「ふれてみよう 地球科学の最前線」
笠原順三…深海底6000mにおける地震の観測 山下輝夫…地震はどのようにしておきているのだろうか |
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1998年 7月30日 |
「地球の声を聴こう!」
大久保修平…地震・火山噴火研究のための測地学の道具箱 菊地正幸…大地震の起こり方とその予測可能性「兵庫県南部地震に学ぶ」 |
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1999年 8月2日 |
「地球を斬る!」
平田 直…活断層の深部構造と内部構造の発生 渡辺秀文…マグマの動きと噴火の予測 |
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2000年 7月27日 |
「読みとろう地球の鼓動」
兼岡一郎…"同位体"で地球を見ると? −構造と進化 都司嘉宣…元禄16年(1703)の関東震災 |
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写真1.特別企画によるモデル実験.