6-14) アウトリーチ

 アウトリーチ(Public Outreach)とは「研究開発を行う組織・機関が一般社会に向けて教育普及啓蒙活動等の働きかけを行うこと」を意味します.地震研究所は,地震・火山現象を主対象とした観測固体地球科学分野において,世界をリードする先端的研究を推進し,これらの現象の新しい理解への道を切り開くことを目指しています.同時に,そこで得られた研究成果等を広く国民に還元していくことも本研究所の重要な使命と考えています.このような観点から,大学法人化における基本構想のなかで,アウトリーチを重要な柱の1つとして掲げています.

 

アウトリーチ推進室

 地震研究所では,アウトリーチを推進するために,教授会メンバー数名から成るアウトリーチ担当室を発足しました.担当室の基本的な役割は次のとおりです.

 第一は研究成果の還元の効率化です.成果の還元には,マスコミ対応も含めた広報,自治体・国への研究情報発信,さらには社会への啓蒙も該当します.還元の対象に応じた最適な方法を選択・考案することで,組織的かつ効率的な還元を実現したいと考えています.

 第二は情報発信のフィードバックです.研究成果に応じ,社会からは地震・火山研究への要望がフィードバックされるでしょう.これを的確に把握し,研究者や研究者集団の意思を尊重しつつも,所の研究計画へ反映させることが必要と考えています.

 

アウトリーチの内容

 所全体のアウトリーチの内容としては,表に示されるような広い範囲を視野に置いています.大きく4つの項目から成ります.これらを地震研究所内の関連委員会と協力して進めていきます.

 @広報活動では,一般市民を対象としたHPの充実やパンフレットの作成を行うほか,随時マスコミ等への会見を開き研究成果の分かりやすい解説を行います.また大型プロジェクトについても,説明責任の観点から,公表のあり方について検討していきます.

 A啓蒙活動では,一般公開の更なる充実を図るとともに,自治体等との協力の下に市民講座等への取り組みに積極的に参加します.

 B専門家教育では,防災・地球科学関係者への講習会やメディアを交えた月例研究会の実施を行う予定です.

 C連携・技術移転では,防災関係省庁や自治体等との研究交流会や政策立案支援等のあり方を検討します.これに関連して,担当室にアウトリーチに専念する助教授ポストを置き,防災関連の官庁から有能な人を受け入れるなど,他機関との人的交流・連携も重視しています.平成15年度には気象庁から受け入れています.

 

<表> アウトリーチの内容

 

@広報活動

A普及・啓発活動

B専門家教育

C連携・技術移転

受け手

市民

マスコミ

市民

自治体

企業

防災関連機関

企業

発信内容

HP, 印刷物

記者会見

一般公開

出前講義

月例研究会

講習会

即時情報

連携研究

交流会

政策立案支援

緊急時対応(*)

所内関連

委員会

広報,HP

出版

一般公開

アウトリーチ推進室

(*)緊急時連絡本部

 

 

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