名前:吉田 真吾
            職名:助教授
            所属:地震予知研究推進センター
            専門:実験地震学,地震発生の物理
 
 
 
 
 


研究内容

地震発生の物理を理解することを長期的目標として主に岩石破壊実験に基づく 研究を進めているが,現在特に力を入れているのは,地震に関連した電磁気シグナルの発生メカニズムの解明, および流体移動と破壊核成長との相互作用の研究である. 地震に関連して電磁放射や地電位変化が観測されたという報告が多くなされているが, 地震に伴いどのようなメカニズムで電磁気的シグナルが発生しているのが, その物理メカニズムは充分には解明されていない.我々は, 水の役割が重要であると考え,岩石試料部を周囲から電気的に絶縁した状態で 間隙水の流動を制御しながら破壊実験が行える特別仕様の3軸試験機を開発した. その装置を使った実験で,破壊前にダイラタンシーが起こり, そのため水が流れ込んで,界面動電効果によって電流が発生することを見いだすなど, 破壊核成長に関連した流体移動による電磁気シグナルの発生メカニズムを明らかに しつつある.系統的な実験を進めていくことにより, 地殻の内部で進行している地震の準備過程に関して, 力学的な測定データからだけでは得られない情報を電磁気的データから抽出し, 地殻内の現象をより鮮明に見ることができるようになることを目指している.
 

主要論文・著書

Yoshida, S., Convection current generated prior to rupture in saturated rocks, J. Geophys. Res., 106, B2, 2103-2120, 2001.

Yoshida, S., and A. Kato, Single and double asperity failures in a > large-scale biaxial experiment, Geophys. Res. Lett., 28, 3, 451-454, 2001.

Yoshida, S., O. C. Clint and P. R. Sammonds, Electric potential changes  prior to shear fracture in dry and saturated rocks, Geophys. Res. Lett., 25,  10, 1577-1580, 1998.

Yoshida, S., M. Uyeshima and M. Nakatani, Electric potential changes > associated with slip failure of granite: Preseismic and coseismic signals, > J. Geophys. Res., 102, 14,883-14,897, 1997.