当 重 点 課 題 の 研 究 課 題 が S C 1 6 に て 受 賞
SC16 Best Poster Award授賞式.右から3番目が理化学研究所藤田航平特別研究員,4番目が東京大学市村強准教授,5番目がJAMSTEC堀高峰主任研究員(写真は理化学研究所計算科学研究機構提供)
当重点課題では,次世代地震被害予測システムのコア技術として統合有限要素解析アプリの開発をすすめています.このアプリは超大規模の非線形動的問題までを対象とし,「京」コンピュータ全系(82,944計算ノード)を用いて高効率な解析を可能としています.これまでも,その性能が評価され,SC14及びSC15においてGordon Bell Prize[*1]のFinalist[*2,3]に選出されています.
SC16では,本手法の地殻変動解析への適用についてBest Poster Awardを受賞しました (研究課題名:A Fast Implicit Solver with Low Memory Footprint and High Scalability for Comprehensive Earthquake Simulation System).112件のResearch Posterから1件選出されました.本研究では,「京」コンピュータ全系を用いることで,従来の205倍の規模の地殻変動解析(2兆自由度)を行うことが出来るようになりました.地震を引き起こす地殻変動を従来よりも精緻に分析できるようになると期待されます
また,SC16で開催されたWACCPD 2016において,本アプリの汎用化に関する基礎研究がBest Paper Awardを受賞しました (研究課題名:Acceleration of Element-by-Element Kernel in Unstructured Implicit Low-order Finite-element Earthquake Simulation using OpenACC on Pascal GPUs).本研究により,「京」コンピュータで開発された本アプリを小規模計算機環境でも使用可能となることが期待されます.
本アプリについてのお問い合わせ
アプリリーダー 市村強(東京大学地震研究所)
アプリメンバー 藤田航平(理化学研究所計算科学研究機構)
TEL: 03-5841-5692 (市村)
E-mail: ichimura@eri.u-tokyo.ac.jp
[*1]アプリの性能と計算科学の成果に対してACMが授与する賞.毎年5,6編のFinalistが選ばれ,その中の1編に対して授与される.