マグマの上昇

マグマの上昇メカニズムを決定する要因は,大きく見て「浮力」と「マグマの発泡による膨張」の2つです.


浮力による上昇

マグマが発生している場所では,一般にマグマは周囲の岩石よりも小さい密度を持ちます.したがって,広い意味での浮力によって,マグマは地表に向かって上昇し始めます.マグマの上昇メカニズムが周囲の岩石の密度が変化することによって,大きく変化することが予想されます.たとえば,地殻とマントルは,その化学組成上の違いを反映して密度などの物性が異なります.マントルはマグマより高い密度をもつのでマグマは浮力によって上昇します.一方,地殻の最上部はマグマより低い密度をもつことがあります.そのような場合マグマは密度が釣り合った地点で上昇を止め,停滞することになります.


マグマの発泡による膨張

地下浅いところまでマグマが到達すると,マグマ中に溶け込んでいた揮発成分が気相として析出します.発泡したマグマは全体として小さな密度を持つので,地表まで噴出することが出来ます.マグマは発泡することによって発泡する前に比べて数百倍から千倍近く体積膨張することがあり,そのことが爆発的な噴火の大きな原因となっています.


研究グループの問題意識

火山の地下で浮力で上昇するマグマの運動様式に対してどのようなタイプ分けが可能か(例えば,ダイアピル,浸透流,割れ目中の上昇),また具体的にマグマはどのような運動をするのか?

発泡現象によってマグマの運動はどのように変化するのか?

などが主な研究対象となります.

我々のグループでは,これらの問題の中でも,上昇途中のマグマの混合過程やガスと液体の分離過程が噴火のタイプとの関係にとくに力をいれて研究を進めてきました.

関連する研究メンバーの研究

小屋口剛博による研究


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