マグマは冷却することによって結晶が晶出し固化します.その際,結晶の化学組成と液体の化学組成が異なるため,結晶化が進行し結晶が液体マグマ中で沈降するにしたがってマグマの化学組成は変化します(これを分化といいます).この分化のためマグマの化学的物理的性質は変化します.
マグマの中に溶け込んでいる揮発成分(おもに水)はマグマが上昇して減圧すると気体となって析出します.これをマグマの発泡現象といいます.発泡現象によってマグマは膨張します.地下深部で発泡する以前にくらべて数百から千倍ちかく膨張することもあり,それが爆発的な噴火の原因の一つとなっています.
マントルや地殻を構成する岩石の温度が上昇したり高温状態で圧力がさがると,それらの岩石は溶け始めます.その溶けた岩石が溶岩です.岩石のように多くの化学成分をもつ物質が溶ける場合,全体が一様にとけるのではなく,溶け易い化学成分だけが選択的に溶けます.この現象を部分溶融といいます.マグマはマントル物質や地殻物質が部分溶融してできたものであると考えられています.