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ニューギニア北部の地震と津波について 作成日:
2009.01.04.


最終更新日:
2009.01.12.

東京大学 地震研究所



【更新情報】



2009年1月4日4時44分(日本時間)、インドネシアのニューギニア北部(南緯 0.51°,東経 132.78°,深さ 35km)でMw7.6(Global CMT Projectによる)の地震が発生しました。マグニチュードが大きく、震源の浅い地震のため津波が発生しています。

(その後、4日15時45分に気象庁は日本各地への津波注意報を解除しました。)

この地震とそれに伴って発生した津波について、速報を随時更新します。(アウトリーチ推進室)



【津波シミュレーション】 佐竹健治 教授 〔地震予知情報センター〕
2つの地震による津波のシミュレーション結果。クリックで解説のページへ。



【震源メカニズムと余震分布】 Natalia Poiata D1〔地震火山災害部門〕
1月4日午前4時44分の地震(図の左)と午前7時33分(図の右)の震源メカニズム。両者とも東西方向の走向(上から見た時の断層面の方向)を持ち、南西に方向に傾斜する逆断層の地震。(クリックで解析結果へ)

by Natalia Poiata


【GPS津波計による記録】 加藤照之 教授 〔地震予知研究推進センター〕
室戸沖に設置しているGPS津波計により観測された津波記録。(画像のクリックで詳細ページへ)



【余震活動予測】 山科健一郎 准教授 〔地球流動破壊部門〕
1月3日に発生した西パプアの地震では,3時間後にM7級の大きな余震が発生しました. その後,1月9日現在,M6.0前後の余震が2回,また,M4〜5級は多数報告されています. このように,大地震の後に活発な余震活動が続くことは普通にみられる現象ですが,私達は, 大きな余震の発生を事前に予測する方法について,検討を続けています.(続きを読む



J-arrayで観測された地震波形】 鶴岡弘 助教 〔地震予知情報センター〕


【参考:1996年の地震】
1996年2月17日に,今回の地震の470km東方でM8.1の地震があり,小笠原では1mの津波が観測された。(インドネシアのBiak島ではこの地震と津波によって、100名以上の方が亡くなっている。)

1996年の地震時の津波:
父島では地震発生の3時間後に最大津波の1mを観測した。その3時間後に、次に大きい50cmの津波が来ている。

今回の地震も同じ地域、同じメカニズムなので、同様の現象が観測されると予想される。(マグニチュードは1996年の地震よりも小さい。)

ただし、今回はMw7.6の地震のほぼ3時間後にMw7.4(Global CMT Project)の地震がほぼ同じ場所で発生しているため、この2つめの地震による津波と重ねあって振幅が大きくなり被害 を生じる可能性もあるので注意が必要

今回の地震発生のおよそ5時間後に父島では40cmの津波が観測されている。


【現地の被害状況 (日本時間1月4日17時現在) 】
  • ホテルの倒壊などにより少なくとも4名の死者を確認,40人近くが負傷
  • ホテルや公的機関の建物も含め、少なくとも10棟が全壊
  • 15万人分の世帯で停電などが続く


【リンク】
   
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