平成12年7月7日

   三宅島火山活動に関する連絡本部の拡大会議メモ   (菊地記)


日時:7月7日(金)18:00〜19:20
場所:第2会議室
出席:約30名(秋政・上嶋・歌田・及川・大久保・大湊・鍵山・金澤・菊地・北澤・纐纈・
   酒井・笹井・嶋野・鷹野・高橋・伊達・鶴岡・寺田・長井・中田・萩原・藤井・山科・
   山中・山本・渡辺・渡辺・・・)
話題:
(1) 今回の連絡本部立ち上げ以降の経過と現地出張者の確認
(2) 諸データの持ち寄りと検討
 ・三宅島内の各種臨時観測点分布図(自然電位・プロトン磁力計・電気抵抗・
  噴気温度・強震計・広帯域地震計・重力計・GPS観測)が作成された。
<地震関連>
 ・地震活動の時空間分布:7月4日ごろから雄山浅部の活動が目立つ
 ・三宅島神津島間の海域に海底地震計20基を設置(一部収録データ持ち帰り)、
  これにより震源決定精度を高める。これまでの予備的調査では、海底地震計の
  データを加えると震源の深さが2,3km浅くなる傾向が見られる。
 ・強震計を三宅島5カ所に設置。7月1日16:01(Mj6.4)の波形記録が示された。
  少し離れた既設観測点(伊豆大島)では表面波が目立つ。
<地殻変動関連>
 ・GPS観測による、約半月分および1年間分の水平・上下変動が得られた。
  いずれ臨時観測点のデータが回収されれば、6月27日以降の変動パターンが
  見えてくるはず。
 ・今回のマグマ貫入の総量は数千万立方メートルと推定される。どこまで進行し
  たかは不明。
 ・重力データは2年前のものと比較。雄山付近で100-160μgal減少(数10cmの
  隆起に相当)、西側で+80μgal、南側で+40μgalといったところ。雄山を中心に
  深さ2kmぐらいにマグマが上昇したというイメージが描ける。
<電磁気関連>
 ・西側で電位の上昇が見られた、水蒸気が関連しているかも知れない。合わせて
  熱消磁の位置を調べている。
 ・噴気温度は雄山中心部で7月1日以降徐々に上昇している。全磁力も同様の変化
  をしている。
<現場調査関連>
 ・変色海域の調査で海底の窪地(火口?)、亀裂が観察された。窪地の直径は約50
m。
(3) 噴火予知連に提出する資料は7月10日午前11時までに、火山センターの渡辺
  さんか井本さんへ。議論する時間が限られているので、図はできるだけコンパ
クトに。