三宅島火山活動調査・現地報告
                   (大学観測班:敬称略)

2000/06/28
05:00 ストレチア丸三池港入港.平林,野上健治(東工大),宮島,
   奥田(名大)到着,宿へ.平林から気象庁TEL して予知連委員
   へのFAX送付先に支庁現地対策本部も加えるよう要請.
07:00 第1回現地対策会議.気象庁からのFAX資料が間に合い,地震活
   動について補足説明(昨夜の有感地震回数は資料とかなり異なる
   と感じた人も多いため).津波を警戒する必要を追加.
   {重要(?)情報}今朝2時過ぎ複数の警察官や住民が「空が赤
   くなった」との報告.
07:20 気象庁石川氏達と相談.対策会議における資料説明と現地のマス
   コミへの解説等は気象庁職員が対応する,補足説明が必要な場合
   に,大学・地質調査所などが行う,こととする.その直後本庁か
   ら応援職員が到着,マスコミへの説明を行った.
08:00 山頂山腹調査隊(GPS:木股,宮島;アルゴス温度計:金子,長田;
   火山ガス:平林,野上)出発.
09:00 西側道路調査隊(川辺,松島,林,鈴木,奥田)警察車両で出発.
09:30 及川,GPSデータ回収のため,伊ケ谷,阿古地区に入る(現対本部
   から現地警察官に連絡して入れる=警察側と了解)
10:00 変色水調査ヘリ.宇都および石川氏(気象庁)
11:00 松島より,阿古地区の「ふるさとの湯」付近でグラーベン状落ち
   込み,幅数m.お湯が噴出している.近くの「リフレッシュふる
   さと館」の源泉からか?
11:30 山頂山腹調査隊帰着.山頂および村営牧場から笠地観音あたりま
   で異常無し.
11:40 宇都帰着.変色水確認できず.農業関係者一時立ち入りで,警戒
   監視に使うため,午後のヘリによる変色水観察は中止.
12:40 平林,宇都が耐熱消防車(!有珠山で火山灰に突入したあのクル
   マ)で阿古の現地調査に出発.温泉が噴出したとはいえ....
13:00 松島からの情報:グラーベンの幅は2−5mで場所により異なる.
   落ち込み量は15cm.海側では急速に消失.山側の延長部分はま
   だ調査中.
14:00 平林より連絡.阿古の温泉湧出は誤認.「リフレッシュふるさと
   の湯」の余ったお湯をパイプで捨て,普段からお湯のたまりがあ
   った.パイプも壊れていない.
   ストレチア丸で帰京するのは,平林,野上,林,長田の4人.
14:20 西側地表調査隊帰着.大鼻付近の2箇所の段差(幅200mの間隔で
   地溝状落ち込み:川辺),阿古付近の開口クラック(:松島)に
   ついて報告作成を始める.
16:00 第2回現対本部会議
   地震活動・地殻変動データに基づく火山活動評価(予知連見解)
   の説明(気象庁).地表調査(西海岸,山頂,山腹):松島;
   変色水調査(異常無し):宇都.支庁土木課による都道被害調査
   結果は大変参考になった.
17:00 - 18:30
      大学観測班および地震研対策本部,気象庁現地職員らと,今後の
      宿と車の確保と使い方の基本方針を議論した.
      1)現在の車2台を有効利用し,気象庁も出来る場合には大学の
      観測のため便宜を図る.
      2)民宿「すずらん」は宿のご主人達の好意で,地震研および地
      震研と共同で観測する研究グループの宿として使わせてもらう.
      地質グループについても予知連に重要な情報を提供する目的であ
      る場合に(今回の地調チームなど),利用してもらう.(1986年
      伊豆大島噴火の時の清美荘)
      3)宿泊費など.1泊2食つき6,300円;朝食のみ800円.ビール500
      円.
19:00 全員宿に帰着.