松島@三宅島現地対策本部です.

笹井さんのメモに追加訂正しましたので,よろしくお願いします
まもなく本日午前分を送ります.

三宅島火山活動調査・現地報告

                   (大学観測班:敬称略)


2000/06/26

22:30 笹井洋一(地震研),木股文昭(名大),林信太郎(秋田大),
      鈴木雄治郎(東大C・M2)東海汽船ストレチア丸に乗船,三宅島に出
      航.

2000/06/27

05:00 三池港入港.
05:20 東京都三宅支庁山上氏車で出迎え(都災対による手配)
05:25 三宅村役場あいさつ.松島健(九大)ヘリで來島.GPS1式持参.
   村役場で合流.
06:00 民宿すずらんを大学観測班の宿に確保(10数人宿泊可能).
   車2台(ワゴン・小型トラック)も確保.
06:20 三宅支庁到着.現地対策会議(6:00-7:00)に出席.笹井・松島が
   手持ち情報について簡単に説明.
   {重要情報}前日夜間に阿古から伊ケ谷に向かう途中,大鼻付近
   の都道で段差(割れ目)を発見.ブレーキの焦げたような匂い.
   ただしごみ焼却場も近い.
07:00 現地対策本部に気象庁から情報提供のために職員常駐の要請があ
   り,気象庁および三宅測候所に連絡.後に高瀬氏到着.村役場お
   よび警察と村営牧場付近にGPS設置のための立ち入り許可を要請.
   許可を得る.
08:30 木股,松島,林が山上氏運転のパジェロで村営牧場へ.
   {重要情報}
08:55 変色水が伊ケ谷沖500mに(漁船より通報).漁船の帰港を指示す
   ると共に,警察ヘリが偵察.伊ケ谷沖合い300mで海水が吹き上げ
   る現象を観察.(時刻は必ずしも正確でない)変色水確認のため
   林のヘリによる観察要請があり.
09:10 GPS設置を終えた木股らと連絡がとれ,林が空港へ.
09:26 伊ケ谷地区住民に避難勧告.有感地震が多くなり,住民からの通
   報による.
09:40 伊ケ谷地区住民迎えのバス通過.257人避難.
09:43 松島,木股が帰着.{重要情報}村営牧場付近の1983年割れ目横
   断道路は異常無し.
09:58 現地対策本部会議.高瀬,松島,木股より,震源分布,村営牧場
   付近の状況などについて説明.
   {重要情報}林より変色水確認の連絡(空港より).大鼻の真西
   沖合い1kmで,ミルク色,および褐色の2本.火山性のものと思
   われる.
10:02 M3.9.9h頃より有感地震多し.
10:30 林が帰着.現地対策本部に観察結果を説明.変色水の常時監視の
   ために,気象庁職員とローテーションを組んで,ヘリ観察を要請
   される.承諾.
   地震研HPの手動決定震源分布の情報を現地本部関係者等に開示.
11:44 震度4.その後地震続く.
11:50 第1回変色水監視に林,木股が出発.(東京消防庁ヘリ)
12:00 NHKニュースで海上保安庁巡視船の観察では,沖合い2.6kmに海水
   湧き上がり現象,と報道.三宅島現地からの情報は伝聞による場
   合は不正確.
12:30 林,木股が第2回目変色水観察.(警察庁ヘリ)
   {重要情報}13:00頃変色水域消滅しつつあり.
13:30 林,松島が第3回目変色水観測.(東京消防庁ヘリ)
   変色水域消滅しつつあり.
14:00 地震研HP(一般向け)に公開された手動決定震源分布を支庁OA室
   でプリントアウトして,対策本部で見られるように手配.好評.
14:30 林,松島が第4回目変色水・山頂・西山麓観測.(警察庁ヘリ)
   {重要情報}変色水域消失.山頂部変化なし.
15:00 {重要情報}卜部卓(地震研)より,より適切と思われる構造で
   計算した震源分布では,大部分の地震(伊ケ谷直下に線状に固ま
   っていたもの)が伊ケ谷から6−7km沖合いに行く.
15:10 及川,金子,長田が観測機器(主にGPS)と共に立川から陸上自衛隊
   ヘリで飛来.
15:15 有感地震のS-P時間から震源が10kmも遠方とは思えず,笹井と卜部
   が議論.予知連に資料提出して検討してもらうことに.
16:15 支庁に大学観測者全員集合(7名).GPS設置予定地と今日の作業
   について簡単に打ち合わせ.木股,松島,及川,長田が設置に出
   発.林は変色水調査結果の報告書作り.笹井,鈴木が連絡係で待
   機.なお災害対策本部室に大学・気象庁関係者連絡専用の電話が
   設置された.04994-2-1919.また直近のFAXは04994-2-0221.
18:05 本日最後の現地対策会議.地震活動の補足説明(笹井)と変色水
   の説明(林).
19:50 10名全員宿に揃う.夕食,簡単な打ち合わせ,東京その他への連
   絡.

笹井洋一(東京大学地震研究所地震予知研究推進センター助教授)
木股文昭(名古屋大学大学院理学研究科附属地震火山研究観測センター助教授)
林信太郎(秋田大学理学部助教授)
鈴木雄治郎(東大C・M2)
以上,4名東海汽船ストレチア丸で早朝来島

松島 健(九州大学大学院理学研究院附属地震火山観測研究センター助手)
以上,1名東京消防庁ヘリゆりかもめ(気象庁手配)で早朝来島

及川 純(東京大学地震研究所火山噴火予知研究推進センター助手)
金子隆之(東京大学地震研究所火山噴火予知研究推進センター助手)
長田 昇(東京大学地震研究所火山噴火予知研究推進センター技官)
以上,3名陸上自衛隊ヘリスーパーピューマ(気象庁手配)で午後来島

宇都浩三(通産省工業技術院地質調査所地殻化学部同位体地学研究室室長)
川辺禎久(通産省工業技術院地質調査所環境地質部火山地質研究室主任研究官)
以上,2名海上保安庁プロペラ機サーブ(気象庁手配)で午後来島


三宅島火山活動調査・現地報告

                   (大学観測班:敬称略)



2000/06/28

05:00 ストレチア丸三池港入港.平林,野上健治(東工大),宮島,

   奥田(名大)到着,宿へ.平林から気象庁TEL して予知連委員

   へのFAX送付先に支庁現地対策本部も加えるよう要請.

07:00 第1回現地対策会議.気象庁からのFAX資料が間に合い,地震活

   動について補足説明(昨夜の有感地震回数は資料とかなり異なる

   と感じた人も多いため).津波を警戒する必要を追加.

   {重要(?)情報}今朝2時過ぎ複数の警察官や住民が「空が赤

   くなった」との報告.

07:20 気象庁石川氏達と相談.対策会議における資料説明と現地のマス

   コミへの解説等は気象庁職員が対応する,補足説明が必要な場合

   に,大学・地質調査所などが行う,こととする.その直後本庁か

   ら応援職員が到着,マスコミへの説明を行った.

08:00 山頂山腹調査隊(GPS:木股,宮島,奥田;アルゴス温度計:金子,長田;

   火山ガス:平林,野上)出発.

09:00 西側道路調査隊(川辺,松島,林,鈴木)警察車両で出発.

09:30 及川,GPSデータ回収のため,伊ケ谷,阿古地区に入る(現対本部

   から現地警察官に連絡して入れる=警察側と了解)

10:00 変色水調査ヘリ.宇都および石川氏(気象庁)(

11:00 松島より,阿古地区でグラーベン状落ち込み,幅数m.
    「ふるさとの湯」付近お湯が噴出している.近くの「リフレッシュふる

   さと館」の源泉からか?←源泉は大鼻であり,パイプで引湯している  
    ことが判明.

11:30 山頂山腹調査隊帰着.山頂および村営牧場から笠地観音あたりま

   で異常無し.

11:40 宇都帰着.変色水確認できず.農業関係者一時立ち入りで,警戒

   監視に使うため,午後のヘリによる変色水観察は中止.

12:40 平林,宇都が耐熱消防車(!有珠山で火山灰に突入したあのクル

   マ)で阿古の現地調査に出発.温泉が噴出したとはいえ....

13:00 松島からの情報:グラーベンの幅は2−5mで場所により異なる.

   落ち込み量は15cm.海側では急速に消失.山側の延長部分はま

   だ調査中.

14:00 平林より連絡.阿古の温泉湧出は誤認.「リフレッシュふるさと

   の湯」の余ったお湯をパイプで捨て,普段からお湯のたまりがあ

   った.パイプも壊れていない.源泉は温度・色とも変化ない

   ストレチア丸で帰京するのは,平林,野上,林,長田の4人.

14:20 西側地表調査隊帰着.大鼻付近の2箇所の段差(幅200mの間隔で

   地溝状落ち込み:川辺),阿古付近の開口クラック(:松島)に

   ついて報告作成を始める.

16:00 第2回現対本部会議

   地震活動・地殻変動データに基づく火山活動評価(予知連見解)

   の説明(気象庁).地表調査(西海岸,山頂,山腹):松島;

   変色水調査(異常無し):宇都.支庁土木課による都道被害調査

   結果は大変参考になった.

17:00 - 18:30

      大学観測班および地震研対策本部,気象庁現地職員らと,今後の

      宿と車の確保と使い方の基本方針を議論した.

      1)現在の車2台を有効利用し,気象庁も出来る場合には大学の

      観測のため便宜を図る.

      2)民宿「すずらん」は宿のご主人達の好意で,地震研および地

      震研と共同で観測する研究グループの宿として使わせてもらう.

      地質グループについても予知連に重要な情報を提供する目的であ

      る場合に(今回の地調チームなど),利用してもらう.(1986年

      伊豆大島噴火の時の清美荘)

      3)宿泊費など.1泊2食つき6,300円;朝食のみ800円.ビール500

      円.

19:00 全員宿に帰着.


笹井洋一(東京大学地震研究所地震予知研究推進センター助教授)
木股文昭(名古屋大学大学院理学研究科附属地震火山研究観測センター助教授)
鈴木雄治郎(東大C・M2)
松島 健(九州大学大学院理学研究院附属地震火山観測研究センター助手)
及川 純(東京大学地震研究所火山噴火予知研究推進センター助手)
金子隆之(東京大学地震研究所火山噴火予知研究推進センター助手)
宇都浩三(通産省工業技術院地質調査所地殻化学部同位体地学研究室室長)
川辺禎久(通産省工業技術院地質調査所環境地質部火山地質研究室主任研究官)

林信太郎(秋田大学理学部助教授)
長田 昇(東京大学地震研究所火山噴火予知研究推進センター技官)
東海汽船ストレチア丸にて午後離島

平林順一(東京工業大学東京工業大学火山流体研究センター 教授)
野上健治(東京工業大学東京工業大学火山流体研究センター 助手)
東海汽船ストレチア丸にて早朝来島,午後離島

宮島力雄(名古屋大学大学院理学研究科附属地震火山研究観測センター技官)
奥田 隆(名古屋大学大学院理学研究科附属地震火山研究観測センター技官)
東海汽船ストレチア丸にて早朝来島