変色海域海底地形調査の概要報告

調査時間:7月4日午前10時から午後5時(内前半3時間はROV電気系統のトラブルの ため船上修理)
観測者:中田、金子、嶋野、野上(東工大)
調査船:信栄丸2隻。ROV:三井造船 RTV-500 MKII EXD。

 テレビ放映画像などから解読した変色海域付近(大鼻の真西約1.2km)の海底地形 をROVを使用して調査した。調査範囲(約700m四方)では溶岩流やスコリアとわかる 明らかな噴出物を確認できなかったが、熱水を放出したと考えられる亀裂・地割れ群 や小穴を確認した。
 変色域直下では幅10cm程度までに開口し、連続する地割れが複数本確認できた。ま た、白色と黒灰色粒子を巻き上げ、さらに、フォールバックによって埋め立てられた と考えられる円形凹地(数10cm径)や船形凹地(幅数10cm長さ1〜2m程度)が確認で きた。船形凹地の底部には小穴が伸び方向に複数配列しているのが確認できた。亀裂 や地割れの延び方向は主に北西〜北と考えられる。
 調査地域は南〜南西方向への水流が約3ノット程度と強く、ROVを亀裂方向へ走らせ たり、同じ位置にとどめたり、同じ場所を再潜航することができないなど調査は難航 した。残念ながら、地割れ群周辺での堆積物や水などの採取はできなかった。