三宅島情報:電磁気班 2000/07/12 1)地質班(中田,川辺,嶋野,秋政)朝の船で到着.長井に 加えて地質班は5名.朝食後,電磁気班(笹井,Zlotnicki,高 橋),地質班は山頂部に向かう.山頂へのゲートには鍵はかけ られていなかった.崩落の音が絶え間無く続く.中田,川辺は Jack Moyer博士(7月8日山頂噴火の直後に山頂に登った目撃 者)と会うために下山.地質班院生3名の協力を得て,山頂駐 車場から3点のSP(自然電位)連続測定側線を作り,データ ロガーを設置. 2)プロトン磁力計データを回収. 3)電磁気班は午後の東海汽船で帰京.松島(GPS班)も同 船で帰京.重力班(大久保,古屋,田中),および地質班が「 すずらん」に滞在. 2000/07/13 1)笹井,Zlotnicki,小山崇夫(D3),高橋優志(M2),浅利 晴紀(M1)5名が東海汽船で三宅島に向かう. 2000/07/14 1)5時三池港に到着.宿に5時20分.山頂から噴火との防災 無線のアナウンスがあった由.やがて細かい降灰を確認.中田, 川辺と共に支庁に行き,その後山頂へ.その状況などは中田によ るメモにある通り.三池付近のかなりの降灰の中を宿にもどり朝 食. 2)7月12日に設置した山頂駐車場からのSP連続点にケーブル と電極を追加して,南斜面から村営牧場に向かうあたりをカバー するSP連続観測網の設置にとりかかる.また山頂駐車場から3 つ目のカーブ(83年割れ目の先端部分がよく見えて,携帯が通じ る場所)にプロトン磁力計設置作業. 3)15:30 SP観測網完成.プロトン磁力計は磁場傾度が大きく, 値がばらついてしまうため,測定を開始せず.遅い昼食をとる. 風下であるにもかかわらず,崩落の音が駐車場方向から聞こえる ようになり,危険と判断して村営牧場の外に出る.重力班から噴 火との緊急情報があり,我々は無事と伝える.この間測候所にか けても話中のことが多く,大学観測班相互の連絡が頼り. 4)17時頃,七島展望台から雄山山頂が見えた.西側カルデラ壁 は平坦になり,かつて見えていた枡形山は消失,813mピークも 明瞭でない. 5)「すずらん」は降灰地域の中心にあたり,避難勧告地域とな り,営業停止.阿古地区の民宿「ほまれ」に移動.地質班4名, 重力班3名,電磁気班5名に,新たに神津島から漁船で渡ってき た強震計班2名(古村,坂上)が加わる. 2000/07/15 1)笹井とZlotnicki は地獄谷にあるSP観測点(MYN)のデ ータ回収に出る.6:00頃三宮林道と土佐林道の分岐点で,昨夜の 雨で泥と化した火山灰のため,車は登れず.徒歩で土佐林道に入 る.20分ほどで倒木が多くて進めず,引き返す. 2)電磁気班は村営牧場へ.牧場入り口から坪田林道を南から東 にまわり,田無線中継所までのSP測定を開始.またプロトン磁 力計のデータ回収に回る.12時頃これらの作業を完了. 3)東海汽船にて,電磁気班5名,重力班3名,強震計班2名, 地質班1名(川辺)が帰京.11時05分頃の噴火に伴う火山灰が, 海上に漂う.現在,地質班3名(中田,長井,秋政)が三宅島に 滞在. <三宅島観測体制関連情報> 1)現在の風向きからは阿古地区への降灰の恐れは少ない.阿古 地区の民宿「ほまれ」を三宅支庁から紹介されて宿泊.1泊2食+ ビール1本(消費税込み)で8,000円程度. 2)地震研のハイ・エース1台を当分の間,三宅島に置く.7月15 日現在は,三池港駐車場に置いてある.鍵はなるべく手渡しで引 き継ぐ方針(大久保). 3)三宅支庁の2階相談室に,大学観測班の連絡要員の居場所を 確保してある.携帯が通じる.また推進センターの衛星携帯電話 を置いてある(メールのやり取りに便利). 4)山頂駐車場に向かう道にあるゲートの鍵を大学観測班が1個 預かっている.この鍵の受け渡し方法については,中田,笹井, 大久保らにお聞き下さい.