<三宅島観測情報>            2000/07/27
                                        笹井洋一
                                        
07月26日(水)
05:00 三池港到着.電磁気班(笹井,高橋優志(地震研),橋本武志,宇津木充
   (京大阿蘇火山センター)),地殻変動班(竹田豊太郎,小山悦郎,平田
   安廣(地震研)).昨夜から有感地震が多く,「すずらん」の奥さん達は
   不安.
06:45 笹井は徒歩で地獄谷の自然電位観測点(MYN)へ.鉢巻林道に近づくと火山灰
   による倒木が多く歩きにくい.複数の足跡があり,こんなところを歩いて
   いるのは及川君(GPS)や長井君(地質)だろうと思っていたら,案の定,
   地獄谷のGPSピラーで連続観測中で,その付近に火山灰をシャベルで掘った
   跡(噴出物調査).
07:15 太陽電池パネルの灰を除去し終わり,データを回収しようとしたら豪雨.
   山の方角から地鳴り音が続く.崩落の音とは違うが不気味で,下山を決め
   る.
07:45 三七山に登る都道で最初の泥流に出会う.まだ流れ始めで3ヶ所ほどを強
   引に突っ切ったが,村役場手前の涸れ川があふれてストップ.鍵山に状況
   を報告.
08:30 村役場のブルで泥流を除去.多数の車と共に無事通過.民宿「ほまれ」で
   皆さんと合流.
10:00 地殻変動班は豪雨で仕事にならず,宿で待機.電磁気班は村営牧場へ.視
   界不良で山頂へ行くのはやめて,再度MYNへ.
11:30 下馬の尾から徒歩でMYNへ.土石流がMYNのあたりを横切り,観測器械は太
   陽電池を固定していた三脚の残骸を残して全て消失していた.せめてメモ
   リー・カードを交換しておくのだった,と悔やむが後の祭り.地獄谷の溶
   岩流の南側は深い沢になり,水流が滝を作って流れている.幸いGPSは無事
   らしい.
12:30 1940年・62年溶岩流付近の土石流は2m位の岩塊を含む由で,通行止めは
   「すずらん」の前から役場までと拡張され,一部に避難勧告.
14:00 役場前から三池港に至る道は泥流で通れず,迂回して港へ.笹井は午後の
   船で帰京.電磁気班3名,地殻変動班3名は「ほまれ」に滞在.