<三宅島観測情報>            2000/07/30
                                        笹井洋一
                                        
07月27日(木)

・電磁気班(橋本武志・宇津木充(京大阿蘇)・高橋優志(地震研)):自然電
 位連続観測点 PA2(山頂駐車場から最初のヘアピン・カーブ南側)の状況を調
 査.入力ボックスが噴石の直撃を受けて測定不能状態.データ・ロガーを回収
 したが,データは取れている模様.大路池中(TRN) (大路池北側の古澪マール
 の中央)にプロトン磁力計を設置.

・地殻変動班(竹田豊太郎・小山悦郎・平田安廣(地震研)):雄山南斜面の2
 点に傾斜計用の穴を掘り,コンクリートで固める.

07月28日(金)

・電磁気班(笹井・橋本・宇津木・高橋):笹井が朝 5時に三池港到着.大路池
 中(TRN) に太陽電池とりつけ.3点のプロトン磁力計 ROM交換.4名で第3ヘ
 アピン点へ.山頂駐車場の状態は地質班の写真の通りだが,崖が壊れたトイレ
 から10m 近くまで迫っている.ガスが深くて陥没口は見渡せず.第3ヘアピン
 点にプロトン磁力計を設置(携帯テレメータ付き).ここは傾斜計,GPS,プロ
 トン(多分重力点も?)と陥没口監視の最前線となった.地質図によれば,山
 頂カルデラの南側の壁にあたる.笹井は神着北 (KMT)の磁力計データ交換に向
 かう.手前200mから降灰が始まり,土石流と泥流の自然堤防を乗り切るのに30
 分かかる.三宅で有珠の観測班と同じ苦労をするとは思わなかった.KMU は泥
 の中だが健在.第3ヘアピンの磁力計(OYP) を稼動.自然電位連続観測点 PA2
 は撤収.もう1点の磁力計データ回収.宿へ.

・地殻変動班(竹田・小山・平田):第3ヘアピン点と83年割れ目噴火北東端部
 に傾斜計を設置.2点のデータを無線でレストハウスに伝送し,衛星で地震研
 にテレメータ.

・平田は午後の船で帰京.電磁気班4名,地殻変動班2名は「ほまれ」に滞在.

07月29日(土)

・電磁気班:早朝に金曽(KNS) のプロトンデータ回収.ここにも小規模な泥流が
 発生.観測点は無事.村営牧場付近の自然電位観測点メモリー・カード交換.
 2点のプロトンデータ回収.好天なのに午前便は欠航.午後の東京船で4名帰
 京.

・地殻変動班:2名で最後の調整.午後の東京船で帰京.

・重力班(大久保修平・田中愛幸(地震研)):朝の船で来島.「ほまれ」に滞
 在.

・雄山北から東側にかけては泥流・土石流で観測点設置は難しい.データ回収に
 も時間がかかる.三池港を出てから見える雄山は東側の山の形が変わり,荒々
 しい.
・山頂部に入るには警察への届が必要(毎日).
・三池港に車を放置するのはやめた方がよさそう.万一大雨が降れば,土石流で
 海に流される恐れがある.
・ANK 便は山頂部分が見えない場合は欠航となる旨の掲示が出た.この時期には
 島の周囲は快晴でも,山頂は雲で覆われることが多く,ほとんど欠航となりそ
 うである.