8月4日(金) 1.航空機による火口調査:中田節也,松島 健 三宅空港発着(11:30から12:30).気象庁手配の海上保安庁SAABを使用. ・あいにく飛行中は山頂部に雲がかかり十分な観察ができず.陥没口の底に南東が高 くなる段差があること,巨れきが目立つことが分かる.陥没口は東側に大きく拡大し ており,八丁平カルデラの東縁に近づいている.陥没口の壁は予想外に切り立ってい る. ・陥没口中央を飛行し,航空機搭載の気圧高度計と対地高度計(上限2500ft)を用い て,陥没口底標高測定を試みるも,対地高度計の限界のため正確には算出できないが ,海抜300m以下である. ・引き続いて,陥没口中央を水平飛行し,航空機の開けた底窓から安全を確保しなが ら身を乗り出しながら,アイセーフレーザ(ハンディータイプのミラーレスレーザ測 距器)を使用して,航空機と海面および陥没口底との距離測定を試みた.4側線トラ イしたが,あいにく,雲と舞い上がる土埃のため真値を得ることができず.しかし, 今後,この手法が安全で正確に陥没深度を見積もれる方法であると考えられる. 2.山頂の地形調査:中田節也,大場 司,下司信夫 ・セオドライトとアイセーフレーザを用いて,陥没口のスケールと陥没口東縁の堆積 物の厚み測定を試みた. ・陥没口の直径は約1.4km,底は海抜高度約250〜270m(誤差は30m程度).山頂駐車場 から計算して450〜430mの深さ.陥没口の底は比較的平らで,全体には,お風呂桶のよ うな形のイメージである.底の最低点(北東側)には小さな水溜まりができ,その南 西側にはハンモッキー状の高まりがいくつもできている.南東側に底にやや高いテラ スがある.南壁と南西側から黒っぽい色の堆積物が崩れて流れこみ,底中央部にまで 達するローブを作っている.. ・陥没口東側縁をマントルベディングしている地層(7月の噴出物と考えられるもの) の厚さは約1.6mと計算される. 8月5日(土) GPSグループは三本岳の測定と設置を行う予定. 地質グループは東登山道沿いの調査.大場 東海汽船離島. 朝,東海汽船で渡辺秀文教授,長井君来島.