三宅島山頂部に出現した陥没地形(7月9日午前、海上保安庁航空機から中田撮影)

 三宅島では7月8日夕方、山頂部が直径約800mでほぼ円形状にストンと落っこちた。
南側部分が特に大きく陥没し、沈降量は250m程度に達する。下の地形が落っこちた底 にはそのまま保存されている。陥没の全体量は数千万〜一億立方メートルと推定され る。一方、この陥没によって、主に東に飛び散った噴出物の体積は大ざっぱに数百万 立方メートルと推定される。壁から西約200mには直径1m大までの噴石が飛んでいる。 噴出物は古い溶岩に由来するもので、顕微鏡観察の結果からも新しいマグマ物質は今 のところ認めていない。これらのことから、地下に空洞ができたために陥没現象が起 こったと考えられる。
 なお、陥没縁には亀裂が多く走っており、縁に近づくのは極めて危険である。
(観測者:中田節也、大野希一、藤井敏嗣)


北東から撮影

北東から撮影

北から撮影

西から撮影