2010年 スマトラ島北部の地震

ウェブサイト立ち上げ:2010年4月7日(水)

更新:2010年4月14日(水)

日本時間2010年4月7日午前7時15分(現地では同日午前5時15分)ごろ,インドネシア西部のスマトラ島北部(2.36N, 97.13E)付近でマグニチュード7.7(USGSによる,以下同様)の地震が発生しました.この地震に関する情報を本ウェブにとりまとめます.(広報アウトリーチ室)


基本的な情報

  • 地震発生日時:2010年4月7日午前7時15分(現地では同日午前5時15分)
  • 震源の位置:2.36N, 97.13E, 深さ31km(USGSによる)
  • 関連するプレート:オーストラリアプレートとスンダプレート(ユーラシアプレート)
  • 地震のタイプ:プレート境界地震(低角逆断層型)

テクトニクス背景

スマトラ島は,オーストラリアプレートがスンダプレート(ユーラシアプレート)の下へ,1年間に60-65mmの速度で北東方向に沈み込むところに位置しており,世界的にも地震活動の活発な地域である.今回の地震は2005年に起きたM8.7の地震の震源域(長さ約350km)のすぐ近傍で起きており(図1),この2005年の地震の余震とも考えられる.

今回の地震の北側では,津波で20万人を超える死者を出した2004年スマトラ島沖地震(M 9.1)が起きている.また,2007年には今回の震源より南側のプレート境界でM8.5(震源域の長さ約250km)の地震が発生している(図1).

図1.スマトラ島周辺で起きた地震(作図:佐竹健治教授).

大木聖子助教


インドネシアと日本の共同研究

2004年のスマトラ島沖地震を契機として,日本 とインドネシアを含むアジア諸国との間では多くの共同研究が活発に行われるようになりました.地震研究所を中心とする日本の学際研究グループは 2005-2007年度の3年間にわたって文部科学省振興調整費「スマトラ型巨大地震・津波被害の軽減策」(研究代表者:加藤照之)を実施したほ か,2009年度からは新たに文部科学省と外務省の協力のもとに創設された「地球規模課題国際科学技術協力事業」により,新たなプロジェクト「インドネシアにおける地震・火山の総合防災策」(研究代表者:佐竹健治教授)をスタートしています.このプロジェクトについては地震研究所ニュースレターPlus6号(PDF)もご参照ください.

加藤照之教授


[J-array の地震波形記録]

J-arrayの地震波形記録

新J-array地震波形データベースは,日本列島の高感度地震観測網を大アレーに見立て,世界各地で発生している大地震の地震波をオンライン・リアルタイムで収集し,データベース化したものです.現在,全国の大学と気象庁の約400近い観測点の3成分の地震計の波形データが地上高速ネットワークを通じて収集されています.地震波形データは,全て20HzサンプリングのJ-array標準波形データに変換して保存されています.

地震火山情報センター


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