浅間火山観測所
(Asama Volcano Observatory: AVO)

〒389-0111 長野県北佐久郡軽井沢長倉山



 浅間山は爆発的な噴火をするわが国の代表的な火山である. 天仁(1108年)と天明(1783年)の噴火では,大量の火山灰とスコリアを成層圏にあげ, 山腹に火砕流を出して,広い範囲に多大の被害を生んだ.噴火活動が活発なことから, 古くから火山観測の対象になってきた. 地震研究所の附属施設として浅間火山観測所が峰の茶屋(標高1406m)に設立されたのは 1933年のことである.観測所の初期の成果としては,火山性地震を波形や震源から分類し, それを噴火予知に応用した研究で有名である.

 浅間山の活動は,1960年代以降,相対的に静穏な状態にあるが, その間にも1973年にマグマが直接関与する噴火がおき, 高く上がった噴煙は関東地方の各県に降灰をもたらした(図). 1980年代に観測体制が整備されると,火山性地震の震源決定の精度が上がり,波形の研究も進んだ.(井田喜明)

 13のテレメータ地震観測点がある.このうち12台が山頂火口を囲み,1台が火口の北20kmにある. 傾斜計が観測所の地下に設置されている.観測所と火口の2地点の測距が行われているほか, 北東斜面の水準測量が年2回行われている. 火口縁には火口観察の地形変化と温度測定用のビデオカメラが設置されている.

 

浅間火山1973年の噴火(小山悦郎撮影)


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