岩石破壊に伴う電気シグナルの発生メカニズム

(月刊地球20, 608-614, 1998に掲載)
東京大学地震研究所 吉田真吾

[1] 岩石の破壊前に発生する電気シグナルについての測定例を紹介し,それらの発生メカニズムは圧電効果または流動電位(界面動電現象)によるモデルで説明できることを述べる.

1. はじめに

[2] 地電位を測定することにより地震予知を試みているVAN法(1)が注目を集めている他,さまざまな周波数帯の電磁気現象が地震前に観測されたという報告がなされているが,どのようにして発生したかという物理メカニズムはほとんど理解されていない.間隙水が存在する場合は界面動電効果により(2),岩石が石英を含む場合は圧電効果により(3)電場が変動する可能性があるが,いずれのメカニズムにせよ,破壊前の電磁気シグナルの発生メカニズムは本特集の主要な研究課題のひとつである破壊核の成長過程と密接な関係があるだろう.本小論では,最近の室内実験により,岩石破壊前に生ずる電位シグナルの発生メカニズムについてどのようなことが明らかになってきたかを報告する.

2. 圧電効果による電気シグナル

[3] 100年以上前から知られているように石英の結晶は圧電効果をもち,加えられた応力に比例して電気分極が生ずる.石英が岩石中にある場合は,電気分極が生じても自由に移動できるイオンなどが石英の結晶の表面に引き寄せられて電気的に中和するので,正味の電気分極は観測されない.しかし,圧力変動が速いと電荷の移動による中和が追い付かなくなって,正味の電荷が現れる(4, 5, 6).このことを模式的に表わしたのが(図1)である.石英に急激な圧力変化が起こるとそれに応じて分極が変化し,それまで電荷を吸い寄せて電気的に中性だったものが,その中性が破れて新たに帯電したようになる.その結果,周囲の電場はステップ状に変動し,その後 ε / κ で与えられる緩和時間をもつ指数関数に従って減衰する.但し ε は誘電率, κ は電気伝導度である.緩和時間に比べ充分長い時間が経過すると,移動してきた電荷が完全に分極電荷を打ち消し再び中性状態になる.これがステップ状に応力が変化したときの電場の応答であるが,一般の応力変動に対する電位シグナルの振幅は,緩和時間より長周期の帯域では応力の時間微分と緩和時間 ε / κ の積に比例することが導かれる(6).


(Fig1:岩石中の石英による圧電効果) 図1. 岩石中の石英による圧電効果.(1)応力σ0に比例した電気分極 pは引き寄せられてきた電荷により中和されている.(2)急激な応力変化Δσが生ずると有効電気分極Pが現れる.(3)緩和時間に比べ充分時間がたつと再び中性状態になる.

[4] 本特集のいくつかの論文で議論されているように,岩石に歪を蓄積させていくと,突然動的破壊が発生するのではなくその前に準備過程ともいえる破壊核の成長過程が存在する.破壊核成長過程を電場を測定することにより検出できないだろうか?そのことを確かめるために以下のような実験を行った.

[5] 図2のように花崗岩のブロック試料(断層面14cmx5cm)3つをサンドイッチ状に並べ,サーボ制御式2軸圧縮試験機により一定の垂直応力を加えた状態で,中央ブロック試料と両側ブロック試料間にすべり速度一定の条件で剪断応力を作用させて,stick-slipイヴェントを発生させた.岩石試料とピストンとの間にアルミナを置くことにより,岩石試料を周囲から電気的に絶縁しておき,岩石表面の2個所に貼り付けた銀ペースト電極(EL1, EL3)とグラウンドとの電位差を高入力インピーダンスの電位計で測定した.また,破壊核成長の様子を捉えるため左右の断層面沿いに歪ゲージを貼り付け局所的な剪断歪も測定した.図3に破壊直前から破壊時にかけての測定記録を示す.(a)は剪断応力変化を示すが動的すべり破壊が発生し急激な応力降下が起こっている.2個所の電極で測定した電位変化(b), (c)を見ると破壊と同時にスパイク的に立ち上がり,その後指数函数的に減衰するコサイスミックなシグナルが捉えられている.この減衰の時定数が電気伝導度と誘電率から計算した値と一致することからも,これは図1で説明した圧電効果とその後の緩和過程でほぼ説明できると考えられる.ある点で測定される電位は,全ての石英結晶からの寄与(近くに位置する結晶ほど大きく寄与)を足し合わせて求められるが,岩石中には様々な結晶軸方向を持つ石英が存在するので測定点により電位の極性が異なってくる.なお,すべりを起こさないように最大摩擦力より低い剪断応力を加え,急に応力を抜いた時の電位変動を調べると同様の電位変化が測定されることからも,コサイスミックなシグナルの原因はすべりではなく,応力変化による圧電効果であることが確かめられる.


(Fig2:     ) 図2. 2軸試験における試料部の構成図.電極と歪ゲージの位置を示す.

(Fig3:     ) 図3. stick-slipイヴェントにおける剪断応力変化(a)と電位変化(b-e).(b)の縦軸を拡大した(d)を見ると,破壊直前に明瞭な電位変化が現れているのがわかる.(Yoshida et al., 1997)

[6] 図3(b), (c)の縦軸を拡大した(d), (e)を見ると,破壊前に電極EL1で明瞭なシグナルが検出されているのがわかる.サンドイッチ状の試料構成では左右ふたつの断層面に沿ってほぼ同時に動的すべり破壊が発生するが,破壊核の成長は必ずしも両面で同時に進行するとは限らない.局所的な剪断歪の測定記録から,この動的破壊の前には左の面で破壊核が成長したことがわかった.どちらの電極で明瞭なプレサイスミックなシグナルが検出されるかはイヴェント毎に異なり,左の面で破壊核が成長した時にはそちらの面に近い方の電極EL1に大きなシグナルが現われ,右の面で破壊核が成長した時には電極EL3に大きなシグナルが現われた.破壊核が成長する時に破壊核内で応力降下が起こり,その領域の結晶軸の向きを反映した極性のシグナルが測定されると思われる.この実験では電位をモニターすることにより,破壊時刻をある程度予測できただけではなく,左右のどちらの面で破壊核が成長しているかも推察できたといえるだろう.

[7] 石英の圧電効果による破壊に伴う電位変動の実験例をもうひとつ示そう.AEの発生と同時に電磁放射が観測されることがある.そこで,基本的には図2と同様の構成にし,粗い面の試料を用いることにより臨界すべり変位量Dcを大きくしてstick-slipではなく安定すべりを起こし,断層面上で多数のAEを発生させる実験を行った.岩石試料のすぐ近くにアンテナを置きそこでの電位変化を測定するとともに,AEトランスデューサを数カ所に貼り付け波形から読み取った到着時刻から震源決定と同様の手法でAEの震源を決定した.図4の○印は左側の断層面上で起こったAEのうち電磁放射を伴った12個のイヴェントの震源を,ハッチは左側の花崗岩の断層面上の石英分布を示す.中央の岩石試料には石英をほとんど含まないハンレイ岩を用いた.この図から,電磁放射を伴ったAEの震源は全て石英上,もしくは石英のすぐ近傍にあることがわかる.この結果は,電磁放射のソースが石英であることの直接的証拠を与える.また,図中Aで示した石英を起源とする3イヴェントの電位変動の極性は全てプラスであり,Bで示した石英からの電位の極性は常にマイナスであったが,このことは電位の極性が石英の結晶軸の向きによって決まるとすれば説明できる.なお,この時使った集録システムの周波数特性は低周波成分がカットされたものなので,記録から緩和時間を直接読み取ることはできない.

[8] 以上の実験は乾いた岩石を用いて大気中で行ったもので,試料の比抵抗は109 Ω mのオーダーであった.濡れると,流体中の電解質にもよるが比抵抗は数桁小さくなる.また,実際の地殻の比抵抗調査によれば,高い領域でも104 Ω m以下に求まることが多い.前述したように,観測される電位の振幅は長周期帯域では ε / κ に比例するので,実際の地震が起こっている断層域に水が存在して電気伝導度が高ければ,圧電効果による電気シグナルは観測されにくくなる.このような場合,圧電現象を見えにくくしている水が,流動することにより電気シグナルのソースとなる可能性がある.


(Fig4:     ) 図.4 (中央)電磁放射を伴ったAEの震源と断層面上の石英分布.(左)Aの位置で起こった3イヴェントの電位変化.極性は全て正である.(右)Bの石英による電位変化.(Yoshida et al., 1994)

3. 界面動電効果による電気シグナル

[9] 電解質を含む溶液が固体壁に接しているとき,あるイオンが液相から固相へ,あるいは固相から液相へ移動すると固体壁表面が帯電する.仮に固体壁表面が負に帯電した場合,その負の電荷は溶液中の正イオンを引き寄せ,界面付近に電気二重層が形成される.全体としては電気的に中性であっても境界付近の電解溶液は正に帯電していることになり,圧力勾配を与えて強制的に溶液を流すと電荷の移動が起こり電流が流れる.逆に外部から電場をかけてやると溶液に電気力が働き流動が起こるが,このような現象を界面動電現象とよんでいる.

[10] 電解液で充たされた1本の毛細管中の電流密度I (A/m2)は

(eq1:     )
という式で表わされる.ここで V は流動電位, η は粘性率, P は間隙圧である.壁から1分子ないし数分子層にわたっては液の流れが起こらず,ある面を境にしてそれより内側で流れが生ずるが,その面をslipping planeとよび, ζ はその面における電位を表わす.第1項はオームの法則に従う伝導電流(conduction current)であり,流動による運搬電流(convection current)を表わす第2項は流体中の電荷密度( ε ζ に比例)と粘性流体の流速(grad P / ηに比例)との積を考えることにより求められる(詳しい導出は文献(7)を参照).

[11] 岩石など多孔媒質中の界面動電現象を表わすには,多孔質中のパスの連結特性等に依存する無次元ファクターF1F2を導入し

(eq2:     )
と表すことができる.

[12] 定常状態(∂ ρ / ∂ t = 0 , ρ は電荷密度)においては一般にdiv I = 0 が成立するが,その特別な場合として伝導電流と運搬電流がほとんど同じ領域内で流れる場合,伝導電流と運搬電流とがバランスしてI= 0 が近似的に成立し

(eq3:     )
となる.流動電位差 Δ V は間隙圧の差 Δ P に比例し,その比例係数を流動電位係数とよんでいる.岩石試料を周囲から絶縁して実験を行う場合は,この近似が成り立つと考えてよい. これらの関係式は確立されてから久しいが,岩石破壊に関連して実際にどのような界面動電現象が生ずるかを調べる実験的研究は今までほとんどなされてこなかった.破壊前にダイラタンシーが起こり,間隙水の圧力勾配が生じれば流動電位が発生するだろう.主破壊の前に微小破壊などにより新たに形成される破壊面におけるゼータ電位( ζ )が大きな値を持てば,それに応じて大きな流動電位が現れるかもしれない.パスの特性を表わすF1F2の値も破壊が近づくにつれ大きな変化を示す可能性がある.

[13] 筆者が約1年間ロンドンに滞在した時にUniversity College Londonの研究者との共同研究で得られた実験結果(8)を紹介する.University College Londonに設置してある3軸圧縮試験機は封圧だけでなく岩石試料中の間隙水圧もサーボコントロールできるようになっている.3軸試験では岩石試料中に封圧媒体(オイル)が侵入するのを防ぐために薄肉の銅チューブなどのジャケットで岩石試料を被覆する.本実験では電気絶縁性の高いジャケットを用いる必要があるので,フッ素ゴムのジャケットを開発した.このジャケットは,岩石試料表面に直接電極を貼りそこからのリード線を取りだせるような工夫がなされている.試料部の構成を図5に示す.試料の下にアルミナの板を挿入し,間隙水を通すパイプも圧力容器から電気的に絶縁しておくことにより,試料部下面を周囲から絶縁する.このような状態で円柱形(直径40mm,長さ100mm)の試料表面4個所に貼り付けた銀ペーストの電極とグラウンドとの電位差を測定した.石英を多量に含むダーリデール砂岩と,石英を全く含まないアイスランド・ゲンブ岩を用い,間隙水存在下だけでなく比較のため乾燥状態でも破壊実験を行った.


(Fig4:     ) 図.5 3軸試験における試料部の構成図.

[14] 図6に破壊直前の電位と差応力 σ1 - σ3 を示す.歪速度は1.5x10-5/sであり,封圧と間隙圧は実験中一定に保たれている.図6(a)は乾燥状態の砂岩の結果であるが,破壊直前に見られる電位変化は石英の圧電効果によるものであろう.また,間隙水存在下でのゲンブ岩(d)においても,動的破壊の直前に明瞭な電位変化が認められるが,これは水の影響と考えられる.しかし,石英も水も含まない乾燥状態のゲンブ岩(c)では破壊前にノイズレベル以上のシグナルは認められなかった.このことは,圧電効果及び界面動電効果以外のメカニズムは,そのふたつに比べ破壊前の電場変動に小さな影響しか及ぼさないことを意味する.なお乾燥状態のゲンブ岩の実験においても破壊時には電位が変動しているが,破壊のショックでAEセンサーが壊れたりケーブルが切れたりして,人工的なノイズがかなり混入したためこの電位変化がゲンブ岩起源かどうかはわからない.

[15] 破壊前に放出される歪エネルギーは動的破壊時に放出される歪エネルギーよりはるかに小さいのにもかかわらず,間隙水存在下の砂岩における実験では,破壊直前に破壊時の変動に匹敵する電位変動をしめすという興味深い結果が得られた(b).圧力変化が直接反映される圧電効果ではこのような現象は期待できないだろう.なお間隙水存在下での砂岩には圧電効果と界面動電効果の両方が働いていそうだが,圧電効果による電位変動の振幅は電気伝導度に反比例するため図6(a)の変動より数桁小さくなっているはずなので,測定された電位変動はほとんど界面動電効果によるものである.


(Fig6:     ) 図.6 破壊直前の電位変化.括弧内の数値は封圧と間隙圧を示す.乾燥状態の砂岩(a),間隙水存在下での砂岩(b)とゲンブ岩(d)では,動的破壊の直前に明瞭な電位変化が認められるが,乾燥状態のゲンブ岩(c)では破壊前にシグナルが認められない.(Yoshida et al., 1998)

[16] 図7に砂岩を用いた定常流テストの結果を示す.最初試料内の間隙圧を20MPaにしておき,ある時出口側の弁を開き,試料の下面の間隙圧を大気圧に落とす.上面の間隙圧はサーボコントロールで20MPaに保つようにしてあるので,試料中の間隙水は圧力差を受けて下向きに流れる.ピストンから送り出される水の体積の記録から定常流が生じていることがわかるが,この間,圧力差に比例した流動電位が測定された.上面がグラウンドされているので,試料下部に貼り付けた電極EL3とEL4で測定した電位の方が,上部のEL1とEL2より大きな電位を示している.また,流動電位が正であることからゼータ電位 ζ が負であることがわかる.当然のことながら,流れの向きを逆方向(上向き)にすると負の流動電位が測定された.

[17] 図6(b)を見ると破壊直前の電位変化の極性は正なので,下向きの流動が生じたことがわかる.実験中,サーボコントロールにより岩石試料上面の間隙圧は20MPaに保たれている.破壊直前にダイラタンシーが加速的に成長して間隙水の流動が生じたのであろう.一方,ゲンブ岩における破壊直前の電位の極性は電極の位置によって異なっている(d).ゲンブ岩の透水率はダーリデール砂岩に比べて5桁程低いので,ダイラタンシーが生じても岩石中全体で下向きに流れるのではなく,向きが場所によって異なる局所的な流れしか起こらなかったためと推察される.

[18] ダイラタンシーの他にも,断層帯近傍の不透水シール部が破損することによって断層域に水が流れ込む可能性がある.水が移動してきて間隙圧が上がると破壊強度が弱くなって地震発生がトリガーされる場合があるので,このような流動を地電位の測定によって検出できれば地震予知に役立つであろう.今まで地震前に観測されたと報告されている電磁気変動の中に流動電位によるものがあるかどうか必ずしも明らかでないが,熱水を地下から取り出す時に帯水層中に生ずる流れによる流動電位などは地表で検出できることが確かめられている(9).


(Fig7:     ) 図.7 定常流における流動電位.(Yoshida et al., 1998)

4. 今後の課題

[19] 電気シグナルの観測データから,地殻中で進行していく地震前の準備過程の情報を引きだせるようにするためには,更に系統的な実験的研究を進め定量的なモデルを構築し,スケーリング則を確立するとともに,電磁気的シグナルが地中を伝播するメカニズムを解明することが重要である.実際の地震が発生している場にできるだけ近い条件で実験を行うことが必要だが,現段階では特に高温での実験データが不足している.

[20] 理化学研究所による国際地震フロンティア研究が平成8年10月より開始され,地震発生前に地殻内部で発生する電磁気学的現象の解明を目指している.このプロジェクトの一環として実験装置を開発・製作し,現在筆者らのグループで実験的研究を進めているところである.

参考文献

1. Varotsos, P. and O. Kulhanek (eds.): Measurements and Theoretical Models of the Earth's Electric Field Variations related to Earthquakes, Tectonophysics, 224, No. 1/3 (1993).
2. Ishido, T. and H. Mizutani: Experimental and theoretical basis of electrokinetic phenomena in rock-water systemd and its applications to geophysics, J. Geophys. Res., 86, 1763-1775 (1981).
3. Nitsan, U.: Electromagnetic emmision accompanying fracture of quartz-bearing rocks, Geophys. Res. Lett., 4, 333-336 (1977).
4. Yoshida, S., P. Manjgaladze, D. Zilpimiani, M. Ohnaka and M. Nakatani: Electromagnetic emissions associated with frictional sliding of rock, in Electromagnetic Phenomena Related to Earthquake Predidctoin, edited by M. Hayakawa and Y. Fujinawa, pp. 307-322, Terrapub, Tokyo (1994).
5. Ikeya, M. and S. Takaki: Electromagnetic fault for earthquake lightning, Jpn. J. Appl. Phys., 35, 355-357 (1996).
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7. de Groot, S. R. and P. Mazur, Non-equilibrium Thermodynamics, pp. 405-452, North-Holland, Amsterdam (1962).
8. Yoshida, S., O. C. Clint and P. R. Sammonds: Electric pontetial changes prior to shear fracture in dry and saturated rocks, Geophys. Res. Lett., 25, 1577-1580 (1998).
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