1999.7.14

No.0106

(1)実施機関名

   東京大学地震研究所

 

(2)新建議の項目

(2)準備過程における地殻活動

 

(a) 課題名

東海地方および伊豆半島東部における絶対・相対(ハイブリッド)重力観測

 

(b) 関連する新建議の項目

 2(2)ア,

 

(c) 平成11年度の到達目標

 (1) 御前崎から掛川をとおるGPS水準路線上において,重力絶対値の時間変動を検出する.

 (2) もともとが静穏な環境での測定を念頭において設計された絶対重力計を,群発地震開始直後から終息までの全期間にわたって観測させるためのノウハウの取得.

 

(d) 平成11年度実施計画の概要

御前崎において絶対測定を自動運転で実施するかたわら,その点を基準とした相対測定を前述の路線上(新たに水準路線近傍に設置された国土地理院定常GPS観測点)で実施する.測定は9月,12月,3月に数名で実施するが,7月,12月(比較観測)は国土地理院が測定を分担する予定.

 伊豆半島東部において群発地震が発生した場合には,発生直後から終息までの全期間にわたり固定点で絶対重力測定を試みる.同時に震源域近傍に新たに観測点数点を設置し,その点の重力の時間変化を追跡する.

 これらの点については絶対重力点を基準にして高頻度で相対測定で決定する.

地震発生初期段階での重力の時空間変動を得ることにより,地殻内流体の移動をみつもる.年度内に群発地震が発生しない場合には3月に,観測を実施し静穏時のデータとする.

予算規模は事業費が約1.7百万円.附属施設経費から約1.2百万円.特殊設備維持費が約2.1百万円.

 

(e) 全体計画のうちの平成11年度の計画の位置づけ。

東海地域での,効率的な観測点配置を構築することに重点をおく.

数マイクロガル/年と予想される沈み込み帯での重力の時間変動は,絶対重力計(精度が1マイクロガル)をもちいておこなうので,絶対基準点では1年以内に検出できる.相対重力点では測定精度が5マイクロガル程度なので平成12年度以降2ー3年の観測の継続により,時空間的な変動場が検出できると考えられる.

伊豆地域での観測では,強い地震動が頻発する劣悪な条件下でも安定的に絶対重力観測をおこなえるようにするための試験観測と位置づける(ノウハウの取得).このノウハウの取得後,平成12年度以降が本観測となる.

 

(f) この課題の実施担当連絡者

大久保修平    Tel.03-5841-8274  Tel/FAX: 03-5841-5729

     e-mail:okubo@eri.u-tokyo.ac.jp