1999.7.9

No.0210

(1)実施機関名

京都大学 防災研究所

 

(2)新建議の項目

1.地震発生に至る地殻活動解明のための観測研究の推進

(4) 地震時及び地震直後の震源過程と強震動 

 

(a) 課題名

「直下型地震の地震環境評価」

 

(b) 関連する新建議の他の項目  

(4)イ、(2)エ

 

(c) 平成11年度の到達目標

大地震の成長過程を支配する発生環境場の調査研究。特に内陸直下型地震について。

 

(d) 平成11年度実施計画の概要

1)既存のデータを用いて下記のe) で述べる研究を行う。

2)中・小規模の地震発生の確率の高い花折断層と山崎断層周辺を重点

地域とした観測を実施する。

   この地域では大学を中心に微小地震観測網、地殻変動連続観測が行われている。また国土地理院によるGPS観測,大学と地質調査所による地下水等の諸観測が行われているので、それらを補完するように、花折断層に沿ってGPS8点を配置した。山崎断層周辺には中周期地震計1点を配置する。これらにより、ア)断層周辺の地殻の変形。イ)微小地震活動、特に静穏化。ウ)地下水位の変動。エ)中規模地震の波形取得を目指す。

 

 参加者15名。事業費約1,200万円

 

(e) 全体計画のうちの平成11年度の計画の位置づけ。

本震には初期破壊が観測され、さらに大きな本震では”地震のブライトス ポット(以下、B・Sと略)が確認される。強震動はこのB・Sから集中的に放出される。その他の地震(群発地震や余震)ではほとんど初期破壊は観測されない。平成11年度はすでに得られている地震データに基づいて初期破壊のある地震、すなわち本震になりうる候補地震で、かつ強震動発生の種を持つ地震の発生場に関する研究を行っている。このような地震は、1)地震活動域から離れた所で発生する、2)そのような地震発生前にはその領域が静穏化している、こと等、本震発生の環境場としての条件が判明しつつある。このような条件は地震発生層の変形、それより下部に広く存在すると考えられる高温流体、によって支配されている。このような作業仮説の基に上記 d) の諸観測を開始した。

 

(f) この課題の実施担当連絡者

  梅田康弘     TEL/FAX  0774-38-4226

               e-mail :umeda@rcep.dpri.kyoto-u.ac.jp