1999.7.12
No.0902
(1)実施機関名
名古屋大学大学院理学研究科
(2)新建議の項目
準備過程における地殻活動、直前過程における地殻活動
(a)課題名
超稠密アレイ地震計と地下流体観測による深部構造敏感体の状態変動の解明
(b)関連する新建議の他の項目
1-(2)-イ、1-(3)−ア
(c)平成11年度の到達目標
・性能評価のためのアレイ3成分20点を瑞浪の地殻変動壕に設置する。
・御嶽南東部群発地震域での地殻変動計測をおこなう。
・水蒸気ラジオメータを用いた高精度GPS測量法を確立し、上下変動で1cm、水平変動で1mmの精度をめざす。
(d)平成11年度実施計画の概要
1.地下深部からの散乱波を捉えるための理想的な地震計アレイを追求する目的で、岐阜県の瑞浪地殻変動観測壕内に稠密地震計アレイを設置する。(記録装置、1式、150万円)
2.観測壕内に小型バイブレータを設置して、上記アレイや東濃地震科学研究所のボアホール地震計を用いて地震波速度を常時測定する。その結果と横坑の歪計やボアホール歪計、地下水位観測結果を比較し、地下水の挙動と、歪・地震波速度との関連を明らかにする。(バイブレータ設置費用:50万円)
3.将来の王滝での実践的観測にそなえ、御嶽周辺の全体的な地殻変動のパターンを把握する。そのために水準測量を実施する(旅費20万円)。また東濃地震科学研究所と共同で御嶽周辺に設置したGPS観測点の解析を行う。その結果と地質調査所のボアホール歪計との比較研究をおこなう。
4.水蒸気ラジオメータによるGPS測量の高精度化手法を確立する。
(e)全体計画のうちの平成11年度の計画の位置づけ
地下流体の挙動とそれによる構造敏感体の状態変動を実践的に解明するために、御嶽南東部の群発地震域をテストフィールドに設定する。本年度はそのための準備期間として位置づけ地震計アレイやGPS測量の高精度化の研究を行う。それとともに、御嶽南東部の群発地震域の基礎データとして、従来データとして圧倒的に不足していた地殻変動を計測する。
(f)この課題の実施担当者連絡者
藤井直之 電話:052-789-3035、FAX:052-789-3047
fujii@seis.nagoya-u.ac.jp