1999.7.12
No.0903
(1)実施機関名
名古屋大学大学院理学研究科
(2)新建議の項目
準備過程における地殻活動
(a) 課題名
東海・東南海地震の震源域の変動とプレート間巨大地震の発生予測
(b) 関連する新建議の他の項目
1-(1)ア・イ・ウ、1-(2)エ
(c) 平成11年度の到達目標
水準・辺長・GPS測量データによる最近のプレート間カップリングの解明
(d) 平成11年度実施計画の概要
・東海地域の過去の観測データ評価:愛知県は地盤沈下監視を目的とする水準測量を最近20年間実施している.この水準測量から得られる上下変動が東海地域におけるプレート沈む込み運動を反映していることが予備的な調査から明確になった.一方,本大学が実施してきた辺長測量と国土地理院による水準測量から,東海地域において,地殻変動に4-5年周期のゆらぎが観測され,プレート間のカップリング変動を反映していると考えられる.そこで,愛知県などが実施する水準測量データを整理し,プレート沈み込みに伴う地殻上下変動をより明確にすると同時に,プレート間カップリングの時間変動に関する研究を進める.
・東南海地域の資料調査:過去に調査された東南海地域の地殻変動や地震活動の資料を整理するとともにもう一度現在の目で解釈する。
・銭州岩礁におけるGPS繰り返し観測:高知大学理学部,東海大学と共同で実施し,銭州海嶺周辺域におけるテクトニクスの議論を進める.予算規模は旅費が中心で50万円.
(e) 全体計画のうちの平成11年度の計画の位置づけ。
東海だけでなく、すでに準備過程に入ったと思われる東南海地域まで視野を広げて、巨大地震発生予測のための総合的観測・予測・モデルの構築をはかるのが全体計画である。本年度は、東海地域の観測研究とともに、東南海地域研究の足がかりをつくる。
(f) この課題の実施担当連絡者
木股文昭 052-789-3040(fax 3047)
kimata@seis.nagoya-u.ac.jp