(1)課題番号:No.0202
(2)実施機関名:京都大学防災研究所
(3)建議の項目:1.地震発生に至る地殻活動解明のための観測研究の推進
(1)定常的な広域地殻活動
(4)課題名:地殻不均質構造の評価と大地震発生のモデリング
(5)関連する建議の他の項目:(b) 関連する新建議の他の項目
1, (1)ア,イ,ウ
(6) 平成11年度の成果の概要 (平成11年度の到達目標との関連を明記する。平成11年度以前の計画の成果で11年度と関連の深いものはこれに含める)
・東北地域の観測点6点の撤収を実施した(6月—7月,参加延べ7人).
・ 北海道日高衝突帯における観測網の衛星および有線観測点4点を日高山脈の東部に設置した(6−8月,参加延べ9人).
・北海道における人工地震地下構造調査に参加した.神戸大,鳥取大とともに観測点40点を担当,全点で記録を得た(8月,参加15人,含む鳥取大,神戸大)
・ 四国中国地域の人工地震屈折法による地下構造調査,小豆島から岡山−鳥取県境にかけて28点の観測点を設置.3発の爆破を記録した.これによって,地殻の中部に地震波の顕著な反射面を見いだした.この意味については検討中であるが,テクトニクスについて重要な知見であると思われる.(6月,参加12人,含む鳥取大)
・ 跡津川断層地域の人工地震による地下構造調査は台風で道路が破損して実施延期となったので,次年度に繰り延べる.
・自然地震による中国から中部地方における広域の地震の深さ分布,地震波速度構造の作成,継続して実施している.従来のものに,データの追加を行っている.
(7)平成11年度の成果に関連の深いもので、平成11年度に公表された成果(出版された論文、学会大会等での発表、会議報告等を科研費の申請書に倣って書く「著者名、論文名、学協会誌名、巻(号)、最初と最後のページ、発表年(西暦)、著者名が多数にわたる場合は、主な著者を数名記入し以下を省略」)
小泉 誠・他6名,1999,東北脊梁山地合同地震観測における衛星通信システムについて,京都大学防災研究所年報,41,61-66。
Ito, K.. 1999, Seismogenic layer, reflective lower crust, surface heat
flow and large inland earthquakes, Tectonophysics., 306, 423-433。
大内 徹・山口 覚・伊藤 潔,1999,地震発生と地殻上層部,神戸大学都市安全研究センター,研究報告,3,187-193。
伊藤 潔,他11名,1999,四国における人工地震による四国・中国地方の地下構造調査,地球惑星科学関連学会1999年合同大会。
渋谷拓朗・他11名,2000,四国における人工地震による四国・中国地方の地下構造調査,京大・防災研講演会。
伊藤 潔,1999,地震の上限下限と温度構造,地震研研究集会講演要旨集,p6-9.Ito, K. and Nakamura, S., 1999,
Upper and Lower cutoff of seismicity and its relation to tectonics of Japan,
IUGG, abstract, A167。
(8) 平成11年度に達成された成果の、全体計画の中での位置づけ
・合同自然地震観測については東北地域の観測の終了,解析は今後継続
・北海道日高地域の観測開始,データの蓄積の段階である.観測網の撤収と設置,12-13年度まで北海道で観測実施
・人工地震は北海道における実験の実施とデータの整理の段階である.今後解析をすすめ,次年度も継続する.
・ 四国の人工地震は今後計画されている大規模実験の予備調査に当たる.海洋科学技術センターと地震研の共同研究に他の大学が参加する形になっており,データの統合解析を推進中である.
・自然地震の既存データによる構造解析は個人的な研究として継続している.
(9) この課題の実施担当連絡者
氏名:伊藤 潔
電話:0774-38-4231
FAX:0774-38-4231
E-mail:ito@rcep.dpri.kyoto-u.ac.jp