(1)課題番号:
0301
(2)実施機関名:
北海道大学大学院理学研究科
(3)建議の項目:
(1)定常的な広域地殻活動
(4)課題名:
稠密地震観測・重力観測を基本とする北海道内陸地震帯の活動度および構造評価
(5)関連する建議の他の項目:
(6)平成11年度の成果の概要:
平成11年度の到達目標は,臨時テレメータ地震観測点を新設することであり,北海道大学、東北大学、茨城大学、東京大学地震研究所、名古屋大学、岐阜大学、金沢大学、京都大学防災研究所、鳥取大学、九州大学などにより日高支庁,十勝支庁,胆振支庁に47箇所の臨時地震観測点の設置を行った.地震波形データは2観測点を1組にして通信衛星経由で伝送されている。さらに商用電源・電話回線のない日高山脈脊梁部では夏季のみDATレコーダによりオフラインの連続観測を行った。臨時点は固有周波数1Hzまたは2Hzの地震計を使用して3成分を記録している。
1999年8月から2000年1月までに本観測網によって約1700個の震源が決定された.この内M5以上が16個、M4以上が130個、M3以上が597個、M2以上が1388個観測されている.陸域の活断層に沿った地震や波形が相似な地震、顕著な反射波や変換波なども観測されている.現時点までの走時データを用いた3次元P波速度構造によると、十勝平野から日高山脈にかけて衝上する高速度層の存在が示唆される.
(7)平成11年度の成果に関連深いもので平成11年度に公表された成果:
(8)平成11年度に達成された成果の全体計画での位置付け:
平成11年度は,予定していた臨時地震観測点の設置を完了した.今後さらに走時データの蓄積を進めより高精度で広範囲のイメージングを目指す.また,平成12年度以降は,MT観測,重力観測なども平行して進め,多項目での地球物理的データの収集を行い,対象地域の総合的な構造イメージングを行う予定である.
(9)この計画の実施担当連絡先:
笠原稔
電話:011-706-3591
FAX: 011-746-7404
E-mail: mkasa@eos.hokudai.ac.jp
図の説明:
合同地震観測網によって求められた日高山脈周辺に発生した地震の震源分布.