(1)課題番号:

0303

 

(2)実施機関名:

北海道大学大学院理学研究科

 

(3)建議の項目:

(1)定常的な広域地殻活動

 

(4)課題名:

北海道北部地域の臨時地震観測による地殻構造推定

 

(5)関連する建議の他の項目:

2ー(1)イ、オ

 

(6)平成11年度の成果の概要:

平成11年度の到達目標は,道北地域での臨時地震観測と速度構造の推定である.臨時地震観測は,平成11年6月から11月まで6点において実施された.その結果得られたデータを用いて,浅発地震の震源決定を行い,観測点残差を得た.その結果,表層の第4紀堆積層に起因すると考えられる低速度異常がサロベツ地方で見られたほか,礼文では逆に高速度異常が見られた.これは,これらの残差を観測点補正値として震源再決定を行った.その結果,発生している地震は最深で30kmであり,また,深さ20km付近にも多数の地震が発生していることが明らかになった.これは北海道での平均的な地震の深さ限度である15kmより有意に深い値であり,この値域のLow-HFと調和的な結果であるとともに,道北地方の大陸地殻的な特徴を示しているものと考えられる.また,北海道中軸部の蛇紋岩地帯の東方では地震が全く発生していないことも明らかになった.これは,蛇紋岩地帯が,力学的な境界となっている可能性を示しているものと考えられる.また,地殻のサブダクト/オブダクトを積極的に示すような震源分布は得られなかった.

 

(7)平成11年度の成果に関連深いもので平成11年度に公表された成果:

 

(8)平成11年度に達成された成果の全体計画での位置付け:

平成11年度は,予定していた臨時地震観測および解析を終了した.本計画は平成11年度で終了する予定である.

 

(9)この計画の実施担当連絡先:

笠原稔

電話:011-706-3591

FAX: 011-746-7404

E-mail: mkasa@eos.hokudai.ac.jp

 

 

の説明:

臨時地震観測によってもとめられた北海道北部地方の震源分布.