(1) 課題番号　0307

(2) 実施機関・部局名：北海道大学大学院・理学研究科

(3) 実施課題名：十勝・根室沖大地震を対象とする地震予知の実現に向けた総合的観測研究

(4) 本課題の５カ年計画の概要

(4-1) 「地震予知のための新たな観測研究計画の推進について」（以下、建議）の項目：

III.1.(2) 準備過程における地殻活動

(4-2) 関連する「建議」の項目

　Ｉ．１．（１）ア、イ、エ、 １.（３）ア、イ、２.(１).ア

(4-3) ５カ年計画全体としてのこの研究課題の概要と到達目標：

　1994年北海道東方沖地震の約５年前から震源域で非地震性の前駆的すべりが発生していたことが、複数の地殻変動観測点と検潮所のデータから明らかとなった。また同様の現象は、１点だけではあるが１９７３年根室半島沖地震の際にも見られた。Ｍ８クラスの大地震の発生が間近という説もある十勝沖・根室沖の領域では、次の地震の前にも同様な現象が起きる可能性があるので、観測点数を増やし多点で事前に検知することを目指す。そのために、北海道東部地域にボアホール型総合地殻変動観測システムの増設を行い、この地域の大地震発生前に共通する前駆的地殻変動を効果的に検出する方法を確立する。

(5) 平成１２年度実施計画の概要

(5-1) 「平成１２年度全体計画骨子の補足説明、３．具体的な課題提案の背景」のどの項目を実施するのか：

主として、（２）プレート境界におけるカップリングの時空間変化

−１　プレート境界地震の予測　　および

　　　　　　　　−２　テストフィールド−２　十勝・釧路沖

関連する項目として、

（１）広域応力場の形成メカニズム

−１、広域応力場の不均質性

−２　境界条件−１、日本列島の東・南側の境界条件−３、変形特性−１、地殻・最上部マントルの変形特性

(5-2)平成１２年度項目別実施計画のどの項目を実施するのか：

１．「準備過程における地殻活動」研究計画　

（１）プレート間カップリングの時間変化の解明「定常的な広域地殻活動」研究計画、

（３）地震発生の繰り返しの規則性と複雑性の解明

(5-3)平成１２年度実施計画の概要：

　計画地点は、えりも、浦幌、標茶の３か所で、井戸の深さは５００ｍ以上必要。観測システムは３成分歪計、２成分傾斜計、中帯域速度型高感度短周期地震計で構成されるが、１２年度の設置費用は認められていない。過去のデータと、既存の観測点による解析を進める。

(5-4) ５カ年計画のうちの平成１２年度の計画の位置付けと平成１２年度の到達目標：

　観測井戸の設置とそのデータの解析が主となる計画である。現時点では設備の新設が認められていないので、全体計画の見通しが立たない。しかし、１２年度は、過去データの再解析と同様の現象の全国的な再発見のための共同解析を進める。

(5-5)共同研究の有無：

　地殻変動連続観測を行っている全国の大学との協力

(6)笠原　稔 電話：011-706-3591、FAX：011-746-7404

　　　　　e-mail: 　mkasa@eos.hokudai.ac.jp