5.「地殻活動監視システム」研究計画

地殻活動監視システム計画推進部会


 監視観測の実施は大学以外の関係機関が主体となりますが,大学は新たな手法の開発や観測の精密化等で,監視システムの高度化に貢献できる.また,地殻活動予測システム構築のためには,観測データの有効活用が不可欠であることから,データ流通のあり方についても積極的に提言を行う.これらの基本方針にのっとり、平
12年度は以下のような項目を実施する。

 

(1)域地殻活動モニタリングシステムの整備

地殻変動観測データを有機的に連携させるため、地殻変動連続観測データの気象庁への一元化に必要なデータ交換システムの構築を進める。全国の地震予知研究計画で進められてきた横坑による地殻変動連続観測データを共通に比較し各観測点の「地殻変動S/N比」を評価し、準即時的なデータ公開が可能なシステムを開発して、良好な「地殻変動S/N比」をもつ観測点の公開をすすめる。

(2)特定地域地殻活動モニタリングシステムの高度化のための観測手法の開発

東海及びその周辺地域の地下水観測点においては,平成11年度に既存の地下水観測点5地点に設置した非揚水型の溶存ガス測定装置の運転を開始するとともに、データ収集解析システムを構築する。これにより、多成分ガス測定と自然水位・精密水温測定との両立が可能となり、地下水に含まれる異なる起源、挙動、化学的性質の多成分のガスを同時に観測し、変化を統一的に解釈できることから、地震直前過程の解明へつながることが期待される。

 

(3)広域地殻活動データの流通のあり方についての検討

平成11年度に検討した基盤的高感度地震観測網のデータ流通については、その一日も早い実現を目指して、引き続き「地殻活動監視システム」計画推進部会が中心となって,関係各機関の協力を得ながら検討を行う。

 

目次へ