7.「観測技術開発」研究計画

 

企画部平成12年度全体計画骨子によると,地震予知研究における観測技術に対しては次の3つの項目に対する技術開発要求が強く,本計画推進部会で推進する.

 

1.底諸観測技術の推進:特に、海底地殻変動観測技術開発の推進

2.深部計測技術の推進:特に、応力の時間変化の測定

3.地下の変動状態モニター技術の推進

 

それぞれについて昨年度の成果をふまえて補足説明を行う.

 

1.    海底諸観測技術の推進

プレート沈み込みにおけるカップリングの推定には海底地殻変動観測が基本的に重要であり,そのための技術の実用化をめざす.特に音響結合による海底測位技術の開発を目指し,今年度は測定精度が評価できる段階にまで開発を進めるべきである.東北大・東大震研・名古屋大学が開発を行う.

 

2.    深部計測技術の推進

内陸の歪み集中場の変形様式を知るために最も直接的な手段は応力の時間変化の測定である.要求される精度に合うように手法の開発が行われるべきである.今のところ東大震研と名古屋大学による繰り返しオーバーコアリング法が有望ではあるが,精度の評価が急務である.

 

3. 地下の変動状態モニター技術の推進

能動的に送信された弾性波および電磁波により地下の状態の時間変動をモニターする技術開発を推進する.この手法は地殻深部のクラックや地殻流体等の時空間変動をとらえたり,プレートカップリング強度の時空間変動をとらえたりするための手法として期待されている.名古屋大学と東大震研は弾性波調和信号源(アクロス)の精度と効率の向上を目指す.京大防災研は電磁波調和振動による地下比抵抗変動の解明を目指す.

 

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