(1)課題番号:1203
(2)実施機関名:鹿児島大学理学部
(3)建議の項目:1.地震発生に至る地殻活動解明のための観測研究の推進
(1)定常的な広域地殻活動
(4)九州−琉球弧の背弧域の地殻活動の解明
(5)関連する建議の他の項目:1.(1)ア、ウ 2(1) イ、オ
(6) 平成12年度の成果の概要:
平成11年度に甑島西方海域で実施した自己浮上型海底地震計による自然地震観測に引き続き、平成12年度は同海域でエアガンによる構造探査を北海道大学・東北大学・東京大学・九州大学と共同で行った。
観測は、2000年6月27日から7月4日にかけて、鹿児島大学水産学部練習船敬天丸の協力を得て実施した。観測海域は沖縄トラフの北東延長部であり、平成11年度の観測で明らかになった地震の多発地域を含んでいる。自己浮上型海底地震計は、図1に示したように、観測点間隔10kmでトラフに平行および直交するように5台×5台を配置した。測線は観測点直上を通過するように14ラインを設定し、5ノット程度で曳航したエアガンを約60秒間隔で発震した。エアガンは東北大学所有の17リットルのものを使用した。
図2はレコードセクションの一例である。OBSの東南東側と西南西側での初動到達に明瞭な差が見られ、複雑な速度構造が予想される。観測データは現在解析中である。
(7)平成12年度の成果に関連の深いもので、平成12年度に公表された成果:
なし
(8)平成12年度に達成された成果の、全体計画の中での位置づけ:
本研究計画は、九州−琉球弧の伸張応力場形成のメカニズムを解明し、日本列島の西端の境界条件を明らかにすることを目指して、九州大学の研究(課題番号1101)と協力して進めているものである。平成11・12年度で、海域での自然地震と構造探査は終了したので、今後は得られたデータの解析を進めていく。
(9)この課題の実施担当連絡者:
氏名:後藤和彦
電話:099-244-7411
FAX:099-244-0145
E-mail:goto@sci.kagoshima-u.ac.jp
図の説明
図1.甑島西方海域で実施したエアガン構造探査の観測点(+印)配置。
図2.レコードセクションの一例。