(1)課題番号：1004
(2)実施機関名：鳥取大学工学部
(3) 課題名：日本全国におけるネットワークMT観測
(4) 本課題の5ヵ年計画の概要とその中での平成12年度までの成果
（以下の4-1、4-2、4-3について答える）
( 4-1 ) 「地震予知のための新たな観測研究計画の推進について」（以下、建議）の項目（数字の項目まで、最も関連の深い項目を記入する）：1. (1)定常的な広域地殻活動
(4-2) 関連する「建議」の項目 (建議のカタカナの項目まで、複数可)：1.(2)エ，3.(1)イ，2.(2)イ，3.(2)ウ
(4-3) 「5ヵ年計画全体としてのこの研究課題の概要と到達目標」に対する到達した成果：
島弧マントルスケールの大局的電気比抵抗構造を求めるため，平成11年度から平成15年度にかけて，未測定地域でのネットワークMT観測観測を全日本規模で実施する．特に，西南日本では，中国・四国地方においても，中国地方西部・四国地方西部地域がその対象となり，これらの地域においてネットワークMT観測を行うことにより，ほぼ全域が網羅される．このような全体計画の中で，西南日本弧における島弧マントルスケールの大局的電気比抵抗構造を推定し，得られた大局的構造と主に中国地方の火山や地震活動との対比を行うとともに，特に未解決の問題とされているフィリピン海プレートの中国地方下での沈み込み形態，ならびに，島弧下の温度や水の分布に関する情報を明らかにすることを到達目標と考える．
このような到達目標に対しての成果として，中国地方西部（隠岐を含む島根・広島・山口県）および四国地方西部（愛媛・高知県）の未測定エリアのうち，主に，四国地方西部において，光ケーブル芯線-局アースを結ぶ観測網を設定し，調査を行ったことにより，中国地方西部・四国地方西部の測線での島弧を横断する構造に関する一次データを取得できたことを報告する．
(5) 平成12年度成果の概要
(5-1) 「平成12年度全体計画骨子の補足説明 ３．具体的な課題提案の背景」のどの
項目を実施するのか（複数の項目に関係している場合は、主たる項目と、関連した項
目に分けて記入する）：主たる項目(4)-1．，関連した項目(1)-2-3．
(5-2) 平成12年度項目別実施計画のどの項目を実施するのか（複数の項目に関係して
いる場合は、主たる項目と、関連した項目に分けて記入する）：主たる項目1.(2)，関連した項目1.1.(2)，1.2.(2)
(5-3) 平成12年度に実施された研究の概要：
平成12年度の観測では，中国地方西部（隠岐を含む島根・広島・山口県）および四国地方西部（愛媛・高知県）の未測定エリアのうち，主に，四国地方西部において，光ケーブル芯線-局アースを結ぶ観測網を設定し，未測定地域をカバーするような観測網について調査を行った．平成12年度の観測地域名は，檮原地域をはじめとして，土佐中村，窪川，宿毛などである．鳥取大学はこの観測調査を分担した．
(5-4) 「平成12年度の到達目標」に対する成果の概要：
平成12年度は，中国地方西部・四国地方西部地域において，平成11年度における未測定エリアを対象として，新たなネットワークMT観測網による観測データを得ることを目的とした到達目標を掲げた．
このような到達目標に対しての成果として，平成12年度の観測では，中国地方西部（隠岐を含む島根・広島・山口県）および四国地方西部（愛媛・高知県）の未測定エリアのうち，主に，四国地方西部において，光ケーブル芯線-局アースを結ぶ観測網を設定し，未測定地域をカバーするような観測網について調査を行ったことにより，中国地方西部・四国地方西部の測線での島弧を横断する構造に関する一次データを取得できたことを報告する．
ただし，中国地方の山間部のエリアは未測定部分が存在する．これは，NTTが設置したメタリック線がローカルなエリアを除いて，回収されたためである．今後は，このような未測定地域での，自作電極を使用した，支局内の小規模なメタリック線を用いた観測を実施して，補充観測を行う必要があると考えられる．
(5-5) 共同研究の有無：東京大学地震研究所・京都大学防災研究所・高知大学理学部・神戸大学理学部との共同研究．参加人数は約6名．観測については，基本的には約3ヶ月に一度，観測システムの撤収・移設を実施している．
(5-6) 平成１２年度の成果に関連の深いもので、平成１２年度に公表された成果：
口頭発表）村上英記・山口覚・首藤史郎・塩崎一郎・大志万直人・上嶋誠，中国・四国のネットワークＭＴ観測（２０００年度），CA(Conductivity Anomaly)研究会，2001/1．
首藤史朗・山口覚・村上英記・塩崎一郎・大志万直人・上嶋誠，ネットワークＭＴ観測に基づく中国・四国西部の比抵抗分布−序報−，CA(Conductivity Anomaly)研究会，2001/1．
など．
(6) この課題の実施担当連絡者
氏名：塩崎 一郎
電話：0857-31-5642
FAX: 0857-31-5635
e-mail: shiozaki@cv.tottori-u.ac.jp