No.0105

（１） 実施機関名

　　東京大学地震研究所

（２） 実施内容

（ａ）　新建議の項目（数字の項目まで）

1. 地震発生に至る地殻活動解明のための観測研究の推進　

(1) 定常的な広域地殻活動．

(ｂ) 課題名　島弧地殻不均質に関する観測研究(1) 人工地震観測：伊豆-本州弧衝突帯における地殻構造探査

（ｃ） 関連する「地震予知のための新たな観測研究計画の推進について」（以下新建議）の他の項目 (新建議のカタカナの項目まで)　

1. (１) ウ，(２)イ，ウ，エ．2(1) エ, オ.

（ｄ） 平成13年度の到達目標

(1) 反射法・広角反射法地震探査　伊豆-小笠原弧と本州弧との衝突により，相模トラフの陸上延長では国府津-松田断層，駿河トラフの延長上では富士川断層などの内陸部では最も平均変位速度の大きな活断層系を形成している．しかしながら，地殻活動を解明していく上で重要な地殻深部における断層の形状については不明である．本研究では国府津-松田断層を横断する測線において反射法地震探査を実施し，地殻深部から浅層部までの断層系の形状や周辺の不均質構造を明らかにすることを目的とする．

(2)平成14-15年度実験の予備調査　平成14-15年度には，西南日本において大規模構造調査・自然地震観測を行い，フィリピン海プレートの西南日本への沈み込み，それに伴う島弧地殻の変形・改変過程の解明を目指す．今年度は，この実験・観測のための予備調査を実施する．特に，人工地震探査の測線位置，自然地震観測としてどのような観測網が必要か等を現地調査を踏まえて検討する．

（e） 平成13年度実施計画の概要

　反射法地震探査は，対象深度に応じて，深部反射法地震探査・浅層反射法地震探査の2種類の仕様で実験を行う．深部反射法地震探査は，国府津-松田断層を横切る全長40kmの測線において，バイブロサイス，ダイナマイトを震源として実施する．受振にはCDPケーブルの他，off lineレコーダーを展開し，広角反射法地震探査も平行して実施する．浅層反射については，同断層を横切る全長5kmの測線において東京大学地震研究所のミニバイブレーターを震源とした高分解能反射法地震探査を実施する．それぞれの仕様は以下のとおりである．

●深部反射法地震探査　測線長：30km．受振channel数：600. 受振点間隔：50m. 発震点数：約100.

●浅層反射法地震探査　測線長: 5 km. 使用受振　channel数：200.　受振点間隔：10m. 発震点数：約250.

　参加人数　40-50名．

　実施期間　7/1より開始．人工地震日程　8/20-8/28（機材の設置・撤収を含む）．

　実施形態　人工地震観測　全国の研究者との共同研究

（ｆ）　全体計画のうち平成１３年度の計画の位置づけ

平成11年度から年次計画で、日本列島の主要な地震テクトニクスを理解するための計画の３年次。平成11年、12年度は、北海道日高衝突帯、 13年度は伊豆-本州弧衝突帯、14年度,15年度は西南日本弧での観測研究を計画している。平成14-15年度実験の予備調査は，四国・中国地域に10点程度の臨時観測点を設置し，地震活動を調べるとともに，ノイズレベルの調査を行う．更に，想定される探査測線に沿ってのノイズレベル・交通量調査を行い，探査の適否を検討する．特に，瀬戸内海沿岸は人口が密集しており，測線の選定十分な注意を払う必要がある．また，四国・中国地域で構築されている基盤的調査観測網データを，我々の研究に如何に活用するかについても，検討を行う．

（ｇ） この課題の実施担当連絡者（氏名、電話、FAX, e-mail）

　　　　岩崎　貴哉　TEL　03-5841-5708

　　　　　　FAX 03-5689-7234

　　　　　　E-mail iwasaki@eri.u-tokyo.ac.jp