1999.12.8 |
No.0113 (1) 実施機関名 東京大学地震研究所 (2)実施内容 (a) 新建議の項目(数字の項目まで) 3. (2) 観測技術 (b) 課題名
(I)海底地殻変動観測手法の開発 (3(2)イ)
(II)精密制御震源の開発 (3(2)ウ) (c) 関連する新建議の他の項目
(I):1(1)ア・イ,1(2)ア,1(3)イ,2(2)ア
(II):1(2)ウ・エ,1(3)イ (d) 平成13年度の到達目標 (I)海底地殻変動観測手法の開発 観測計器によって到達目標は異なっているが,
平成12年度の開発成果をふまえさ らなる精度向上をめざして各種観測手法の改良と開発観測を進める.平成12年度の特 別設備による駿河湾海底におけるボアホール総合観測を継続して震源核の形成を捉え る. (II)精密制御震源の開発 全体系の開発の継続と性能試験を行う. (e) 平成13年度実施計画の概要 (I)海底地殻変動観測手法の開発 鋸山試験観測井での開発観測の継続.各種の観測計器の改良をすすめるとともに, 日本周辺で最もプレート沈み込み速度の早い三陸沖を地殻変動観測のテストフィール ドとして,ケーブル式海底地震観測システムやODP孔内計測と連携した面的かつ総合 的な地殻変動手法の開発観測を実施. ・海底測位(GPS測位計)・測距: データの処理方法を改良して精度の向上をはか るとともに,面的配置に配置しての三陸沖での連続観測の実施.東北大学,東京大学 海洋研究所との共同研究. ・レーザー干渉計を用いたボアホール海底傾斜計: 半導体レーザーをベースとする 低消費電力型の海底観測に適した高精度レーザー光源の開発の継続. ・海底孔内設置型体積歪計: 鋸山にある海底地殻変動試験観測井で実施している開 発観測を継続.三陸沖ボアホール孔内の体積歪計データも用いて精度・安定性の評価 を行い,歪計改良にフィードバック.東北大学,東京大学海洋研究所,海洋科学技術 センターとの共同研究 ・海底観測通信ブイ: 伊豆諸島の新島近くの海域に設置して3ヶ月ほどの試験運用 を行い,装置の実用性を評価する.東北大学理学部との共同研究. ・海底設置型傾斜計:試験観測による評価と精度の向上.千葉大学との共同研究. ・海底重力・圧力計: 三陸沖海底での連続観測の実施.東京大学海洋研究所,千葉 大学との共同研究. (II)精密制御震源の開発 精密制御震源については,2K実証試験システムを用いた地下の散乱構造の動態観測 を実施して,散乱特性のデータを蓄積するとともに,微分トモグラフィー手法の実証 試験を行ない,最適のアルゴリズムを選定する。 (f) 全体計画のうちの平成13年度の計画の位置づけ. 地震研究所の研究計画「観測システム高度化のための新技術の開発研究」の3年次目 として実施する.以下その全体計画の概要: (目的)プレート境界での地殻現象を高精度に観測するため,海底測位計(GPS) などの海底地殻変動観測手法の開発,及び,制御震源による能動的な観測を行うため の新技術を開発する. (必要性)プレート沈み込み帯に位置する日本列島とその周辺の地殻活動の中で発生 する地震の予測のためには,地震発生に至る地殻活動の全過程を,その過程であらわ れる地殻現象の観測によって把握することが必要である.このような地殻現象の観測 のためには,高精度に現象検出するための観測システムの開発が必要であり,特に海 底地殻変動観測の手法の開発,および制御震源による能動的な観測を行うための新技 術の開発が必要である. (期待される成果)海底下での地殻の変形・ひずみの観測情報は,プレート運動の詳 細とゆらぎを把握しプレート運動による広域応力場の変動過程の解明に重要である他 , 地震発生準備段階の把握に重要である.海底地殻変動観測手法の開発により,直 接に海底下での地殻の変形・ひずみを知るための高精度観測の実用化が期待される. また,制御震源による能動的な観測を行うための新技術の開発は,地殻内部の散乱特 性値の空間分布と時間変動の計測を可能し地震発生準備・直前段階におけるひずみ局 在化過程の情報抽出が期待される. (g) この課題の実施担当連絡者(氏名、電話、FAX,
e-mail) 金沢敏彦 東京大学地震研究所地震地殻変動観測センター 電話(dial in) 03-5841-5780 FAX 03-5841-8265 e-mail kanazawa@eri.u-tokyo.ac.jp |