2000.1.5 |
No.0315 (1)実施機関名 北海道大学理学研究科,弘前大学理工学部,東北大学理学研究科,東京大学地震研究所,名古屋大学理学研究科,京都大学理学研究科,京都大学防災研究所,九州大学理学研究科,鹿児島大学理学部,神戸学院大学人文学部,高知女子大学生活科学部,富山大学理学部,国立天文台地球回転系,防災科技研地震調査研究センター (2)新建議の項目 2.(1)広域地殻活動モニタリングシステム (ア)広域地殻変動観測 (a)課題名 地殻変動連続観測データの評価と準即時的データ公開システム (b)関連する新建議の項目 1.(2)ア,イ; 1.(3)ア,イ (c)平成13年度の到達目標 全国の地震予知研究計画で進められてきた横坑による地殻変動連続観測データを共通に比較し、各観測点の「地殻変動S/N比」の評価を行う.準即時的なデータ公開が可能なシステムを開発し、先の評価に基づき、良好な「地殻変動S/N比」をもつ観測点の公開をすすめる. (d)平成13年度実施計画の概要 平成12年度に,全国のすべての大学関係の横坑による地殻変動連続観測データを共通に比較し、各観測点の「地殻変動S/N比」の評価を行う.同様の評価を防災科学技術研究所のボアホール観測点および1995年以降の大学のボアホール観測点データについても行い、両者の結果の比較から、観測点環境パラメター(地質、土かぶり、湧水など)との関係を見い出す.準即時的なデータ公開が可能なシステムを開発し、先の評価に基づき、良好な「地殻変動S/N比」をもつ観測点を優先的に、このシステムにつなげていく.単なるデータ公開ではなく、この時間帯域の効果的同地監視の方法および異常判定のアルゴリズムなどを改良していく. 実施にあたっては,平成12・13年度の科学研究費基盤研究(A)「全国地殻変動連続観測データの統一的評価とデータ公開・高精度化システム開発」(研究代表者:北大院,笠原稔)を申請してある.参加人数31名. (e)全体計画のうちの平成13年度の計画の位置付け 地殻変動連続観測では、現状でも、少なくとも1分以下のサンプリングでデータが得られており、短い時間帯域(数分〜数ヵ月)においては,GPSよりも分解能・感度ともにすぐれている.この帯域の、阪神淡路大地震の前にみられた近畿地方のいくつかの観測点の異常地殻変動は、この帯域のデータが広域的に同時的に比較できていれば、事前に発見が可能だったことを示している.準即時的なデータ公開が可能なシステムを開発し、先の評価に基づき、良好な「地殻変動S/N比」をもつ観測点を優先的に、このシステムにつなげていく.単なるデータ公開ではなく、この時間帯域の効果的同地監視の方法および異常判定のアルゴリズムなどを改良していく.今なお,地震直前から数カ月におよぶ周期帯での異常変動の検出には,地殻変動連続観測が最も効果的な方法である.現に,東海沖地震の気象庁による監視は,地殻変動の異常のみが判定基準の数量化されたものである.この計画では,これまでの横坑連続観測データのすべてを網羅しての評価を行うと共に,それらのデータの準リアルタイムな公開方式を確立する.同時に,1995年以降急増しているボアホール方式の地殻変動データも同様な評価を行い,近い将来の地震予知研究における地殻変動連続観測の新しい方式を確立する.これは,地震調査研究基本法の制定により,地震予知関連データの一元化が求められ,微小地震データに関してはすでに気象庁に取りまとめられているが,地殻変動連続観測データについて,「有効なデータ」を準リアルタイムで提供する方法に直結するものである.大学関連のデータ公開と,一元化に伴う気象庁へのデータ 提供を可能にするみちを決定する. (f)この課題の実施担当者連絡者 笠原 稔(北海道大学理学研究科,地震火山研究観測センター) 電011-706-3591,Fx011-746-7404,mkasa@eos.hokudai.ac.jp
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