1999.11.25

No.0703

(1)実施機関

   東京大学大学院理学系研究科

(2)実施内容

  (a) 新建議の項目

   3 - (1) 地殻活動シミュレーション手法

  (b) 課題名

   下部地殻の流動特性とプレート内応力の蓄積・解放過程のシミュレーション研究

  (c) 関連する建議の項目

   (1)

  (d) 平成13年度の到達目標

   等方的な弾性層(上部地殻)と異方的な流動特性を持つ粘弾性層(下部地殻)から成る地殻構造モデルを設定し,活断層深部の形状と摩擦特性を与え,内陸活断層での応力蓄積過程のシミュレーション・モデルを構築する.

  (e) 平成13年度実施計画の概要

   平成12年度の成果(異方的な流動特性を持つ粘弾性物体の力学的応答の定式化とそれに基づく数値計算アルゴリズムの開発)を基礎として,等方的弾性層と異方的粘弾性層から成る地殻構造モデルを設定し,活断層深部の現実的な形状と摩擦特性を与え,内陸活断層での応力蓄積過程のシミュレーション・モデルの構築を行う.

   参加研究者数は3名.

  (f) 全体計画の中での平成13年度の計画の位置付け

   内陸活断層での大地震の発生過程をモデル化するには,活断層の深部構造と下部地殻の力学的特性を解明する必要がある.これ迄の多くの地震学的・測地学的・地形学的観測事実を整合的に説明するには,下部地殻は水平方向と鉛直方向で異なる流動特性を持つ粘弾性物体であると考えざるを得ない.下部地殻のこのような異方的流動特性と活断層深部の現実的な構造及び摩擦特性を考慮に入れ,内陸活断層での応力蓄積・解放過程のシミュレーション・モデルを構築することが,本研究課題の最終目標である.平成13年度の計画は,前年度の成果(異方的な流動特性を持つ粘弾性物体の力学的応答の定式化とそれに基づく数値計算アルゴリズムの開発)を基礎として,内陸活断層に於ける地震発生サイクル・モデル構築の中核部分を成すものである.なお,平成14年度には応力解放過程としての地震発生過程のモデル化を行い,翌平成15年度には構築した内陸地震発生サイクル・モデルの妥当性の検証をシミュレーション結果と観測データの綿密な比較検討を通じて行う予定である.

  (g) この課題の実施担当連絡者

   氏名:松浦 充宏,電話:03-5841-4318FAX: 03-3818-3247

   E-mail: matsuua@geoph.s.u-tokyo.ac.jp