(修正:H13.6.25)

No.0908

(1)実施機関名     名古屋大学大学院環境学研究科

(2)新建議の項目    3. (1) 地殻活動シミュレーション手法

  (a) 課題名    海溝型巨大地震の地震サイクルモデリング研究

  (b) 関連する「地震予知のための新たな観測研究計画の推進について」

    1.(1)イ./ (2)ア. イ. ウ. エ./ (3)ウ./ (4)ア.; 3.(1)ア.(2)イ.

 

(c) 平成13年度の到達目標

   すべりと状態に依存する摩擦構成則が長期の地震サイクルシュミレーションに有効であるとの立場に立ち、日本海溝沿いの東北日本と南海トラフ沿いの西南日本を比較対照して、プレート境界面の摩擦パラメータ分布の第1世代モデルを模索し、プレート形状を考慮した2次元及び3次元粘弾性媒質中における地震サイクルモデルのプロトタイプを構築する。また、2-D及び3ᬢDで粒状態挙動解析プログラムによる断層のモデリングの基礎的調査を行う。

 

(d) 平成13年度実施計画の概要(実施済みのものを含む)

   地球シミュレータでスーパーコンピュータ用大規模計算GeoFEM による地震サイクルモジュールを開発中であるが、大型計算ではなく、WSレベルで海溝型巨大地震の地震発生サイクルの準静的モデリングを行う。すなわち、摩擦パラメータの分布並びにプレートの形状が地震サイクルに及ぼす影響の基礎的な評価を行い、地震活動パターンや地殻変動から推定されるプレート間ジオデティックカップリング等から摩擦パラメータの基本的空間分布パターンを抽出して、東北日本と西南日本における海溝型巨大地震の地震サイクル

プロトタイプモデルを構築する。

  ソフトウェアとしては、汎用有限要素法ソフトABAQUS並びに有限差分法プログラム(FLAC)+粒状体挙動解析プログラム(PFC)を用いて、パーソナルコンピュータ及びWSレベルで動く地震サイクルシミュレーションの小型ソフトウェアを開発する。

(e) 全体計画のうちの、平成13年度の計画の位置づけ

海溝型巨大地震の地震発生サイクルを東北日本及び西南日本を比較対照しながら構築して、両地域における長期的な地震発生予測を行うのに必要なミニマムモデルの構築を行い、WSレベルで動く地震サイクルシミュレーション小型ソフトウェアを構築することを最終目標とするが、平成13年度は、特に両地域のプレート境界面での摩擦パラメータの特徴的パターンの抽出に重点をおく。

 

(f) この課題の実施担当連絡者(氏名、電話、FAX, e-mail)

平原 和朗; Tel:052−789−3651;//Fax:052−789−3033

E-mail: hirahara@eps.nagoya-u.ac.jp