（１）課題番号　　0119

（２）実施機関名　　東京大学地震研究所

（３）課題名　　フィリピン海プレートの運動の空間的変化の研究

（４）対応する新建議の項目

　１．地震発生に至る地殻活動解明のための観測研究の推進

　（２）準備過程における地殻活動

（５）「３．具体的な課題提案の背景」の項目：

　（２）プレート境界におけるカップリングの時空間変化

　（２）—２　テストフィールド

　　（２）—２—１．三陸沖

　　（２）—２—２．東海・南海，十勝沖・釧路沖

　（３）内陸活断層周辺における不均質な応力・歪場の成因

　（３）—１　個々の断層への応力蓄積過程

　（４）地震発生に対する地殻流体の役割

　（４）—１　地殻流体の実体の解明

（６）関連する建議の項目：　１．（１）イ、　（２）ア、イ

（７）平成１４年度までの研究成果

　11年度は，機動観測により上高地の群発地震活動の詳細を明らかにした．

　12年度は，神津島・新島近海の群発地震活動域において海底地震計による繰り返し観測とブイテレメーターによる準リアルタイム観測をおこない，三宅島噴火のマグマ活動に関連する地震活動と構造の低速度域との対応を明らかにした．また，機動観測により鳥取県西部地震の余震活動と余効変動，三重県中部の地震活動を明らかにした．　

　13年度は，地震地殻変動観測センターの広域観測網により引き続き、三宅島噴火のマグマ活動に関連する神津島・新島近海の地震活動の理解をすすめたほか、芸予地震、三重県中部の地震活動、和歌山・奈良県境の群発地震活動を明らかにした。

　平成14年度は、引き続き地震地殻変動観測センターの地震および地殻変動の広域観測網と機動的観測（陸域及び海域）によって、フィリピン海プレート，伊豆弧と西南日本弧とのプレート間結合の空間的不均質について，理解をすすめた。特に三宅島噴火のマグマ活動に関連する神津島・新島近海の地震活動の　海陸統合解析をすすめたほか、八丈島および近海の地震活動の解析をすすめた。引き続き三重県中部の地震活動、和歌山・奈良県境の群発地震活動の詳細を明らかにした。っｖ、四国の池田町で１周波ＧＰＳ受信機による機動的な長期連続観測を行い中央構造線に関連する地殻変動観測を実施したが、特に異常な変動データは認められなかった。

（８）平成15年度の実施計画概要

・（伊豆弧地殻活動総合調査）地震地殻変動観測センターの観測網と機動的観測（陸域及び海域）による地震活動と地殻変動のデータに基づいて、フィリピン海プレート，伊豆弧と西南日本弧とのプレート間結合の空間的不均質について研究する。

・（東海地域のプレート間結合力の研究）伊豆半島地域、東海地域、南海道地域でボアホール地殻活動総合観測設備による観測研究をすすめる。御前崎では１０００m級総合地殻活動観測を実施。

・ 地震観測網のアレー形状の高度化を実施。

（９）5カ年の到達目標に対する平成15年度の計画の位置づけ

地震研究所地震地殻変動観測センターの観測所（筑波地震観測所、油壷地殻変動観測所、鋸山地殻変動観測所、和歌山地震観測所、広島地震観測所、弥彦地殻変動観測所、堂平地震観測所、信越地震観測所、富士川地震観測所、室戸地震観測所）の施設を使って観測網を高度化しながら継続的に実施する。

（１０）この計画の実施担当連絡者

氏名： 金沢敏彦 東京大学地震研究所地震地殻変動観測センター

電話： 03-5841-5780

FAX： 03-5841-8265

e-mail：kanazawa@eri.u-tokyo.ac.jp