(1) 課題番号：２１８

(2) 実施機関名：京都大学防災研究所

(3) 課題名：鳥取県西部およびその周辺の地震空白域の総合調査

(4) 対応する新建議の項目

１．地震発生に至る地殻活動解明のための観測研究の推進

　　 (2) 準備課程における地殻活動

(5)「3. 具体的な課題提案の背景」の項目：

　(3) 内陸活断層周辺における不均質な応力・歪場の成因

　　　(3)-1 個々の断層への応力蓄積課程の解明

　　　(3)-2 内陸の歪集中帯の変形様式

　　(4) 地震発生に対する地殻流体の役割

　　　(4)-1 地殻流体の実態の解明　

(6) 関連する建議の項目

　1. (2) イ．ウ．エ　　(3) ア．

(7) 平成14年度までの研究成果の概要

　鳥取県西部地震やそれに続く兵庫県北部の地震、芸予地震、2002年鳥取県中西部の地震などが連発し，西日本の活発化はますます確かとなった。本計画は，従前の「０２０１：広域長期にわたる地殻活動の量的評価」を時宜に応じて発展させ、上記０２０１に代わる計画として、平成14年度に新規提案した。

平成12年発生の鳥取県西部地震に関しては、その後、各機関合同で各種観測解析が開始され、平成14年度現在も合同臨時観測が継続中である。

　山陰地方では、1965年の京都大学防災研究所附属鳥取微小地震観測所による高感度微小地震定常観測の開始以来40年弱の微小地震データファイルによる地震活動解析が実施されてきた。広域に見ると、山陰沿岸に平行な活動と海岸線に直交する方向の活動の組み合わせが特徴であり、これが山陰の地体構造と関わることが分かってきた。その結果、880年の出雲地震が、島根県東部の空白域か鳥取県西部地震域のいずれに関わるのかが注目されるに至っている。ﾌｨﾘﾋﾟﾝ海ﾌﾟﾚｰﾄとの関連も注目されている。

　ただ、本計画は平成14年度からの新規計画であり、予算化もされなかったので、直接に本計画よる特段の成果は得られていない。

(8) 平成15年度計画の概要

　鳥取県西部地震の震源域および隣接する島根県東部の空白域において、地震、GPS,重力、地下水・歪、地球電磁気等の総合観測を集中的に実施して、地震発生を規定する要因の解析と、それに着目した時間変動の観測を開始する。

　鳥取県西部地震の震源断層に1500m孔、近傍に観測井（300m孔、5箇所）を掘削して、地震発生直後の地殻構造の特徴とその状態の時間的変動を計測解析する。

　今後、その成果を他の空白領域（島根県東部、山崎断層域）へ適用し、必要に応じて観測点の移設や増強を行い、大学における地震発生予測の実践的研究を推進する基礎とする。

(9) 5ヶ年の到達目標に対する平成15年度の計画の位置づけ

　これまで予算化されていないので殆どめぼしい成果が上がっていない。平成15年度は、短期集中で今後のための観測環境の整備に努める。以後は地元との連携や自助努力で、観測解析を継続して成果をあげる予定である。

(10)この計画の実施担当連絡者

氏名：渡辺　邦彦

電話：(0774)38-4204

FAX：(0774)38-4204

e-mail: watkun@rcep.dpri.kyoto-u.ac.jp