（１）課題番号：　0701

 

（２）実施機関名：　東京大学大学院理学系研究科

 

（３）課題名：　準備過程における地殻流体に関連する調査研究

 

（４）対応する新建議の項目

　　　１．地震発生に至る地殻活動解明のための観測研究の推進

　　　(２) 準備過程における地殻活動

 

（５）「３．具体的な課題提案の背景」の項目

　　　(4)　地震発生に対する地殻流体の役割

　　　(4)-2　地殻流体の実体の解明

 

（６）関連する建議の項目

　　　１（２）エ

 

（７）平成14年度までの研究成果の概要

内陸テストフィールドにおいて地下流体と地震発生との関係を明らかにする観測研究を行うため、新しい手法としてマントルヘリウム連続測定装置を開発し、地殻深部を通って出てくるマントルヘリウム放出の揺らぎと地震発生とを結ぶ観測研究を平成11年度以来毎年申請してきたところ、平成13年度に一部経費が認められた。予算額は申請額の半分以下であるので、装置の開発を自ら行ない、13年度末には大気中のヘリウムの連続測定ができる試作品が組み立てられる所までこぎつけた。平成14年度は、まずは試作品の完成を目ざした。なお、試作装置を野外の観測点で運転するための地下水溶存ガスを連続的に抽出してヘリウムを分離導入するための設備の購入は認めらなかったので、将来観測機器として完成するためのテストを実験室でくり返し行なっている。このほか13年度までに、長野県大滝における温泉水溶存ガスの連続測定、淡路島での大地震後の流体の挙動調査（京都大学防災研究所と協力）、鳥取県西部地震直後の断層ガスの調査を実施した。

 

（８）平成15年度計画の概要

　平成13年度に経費が認められて試作機の開発を行なっているマントルヘリウム連続測定装置の実験室レベルでの完成を目ざす。

 

（９）５ヶ年の到達目標に対する平成15年度の計画の位置づけ

　準備過程における地殻流体の役割は、マントルから地殻全域に及ぶ大規模な流体の挙動の解明から明らかにできるはずであるとの考えに基づき、5ヵ年計画では、地下流体の観測研究を行ない地震発生との関係を明らかにすることを目的として、マントルに起源を持つヘリウム-3のフラックスの連続測定を提案してきた。平成13年度からマントルヘリウム連続測定装置の開発に着手し、14年度には実験室内での完成を目ざしたが、平成15年度も引き続き実験室でのテストをくり返し、分析部分での完成を目ざす。予算的な制約もあり、フィールドでの観測装置を作成して連続観測を行なうことは、次の５カ年計画の中で実施していきたい。

 

（10）この計画の実施担当連絡者

　氏名：野津憲治

　電話：03-5841-4624

　FAX：03-5841-4119

　e-mail： notsu@eqchem.s.-u-tokyo.ac.jp