「地殻活動監視システム」15年度の研究実施計画

「地殻活動監視システム」計画推進部会

平成14年1月11日

 

 

 全国の高感度地震観測網のリアルタイムデータ流通の実現により、列島規模での地殻の活動状況を高度に把握診断するためのデータ解析・流通システムの研究開発が進展するものと期待される。このようなことから平成15年度も本部会としては引き続きモニタリングシステムの構築のための新たな手法の開発や観測の精密化等について、大学の研究を推進する。さらに、次の5カ年計画に向けて、関係各機関の解析結果の迅速な流通システムの構築を推進し、広域ならびに特定地域におけるモニタリングシステムの構築を進展させ、地殻活動予測システムの実現を目指す。

 

1)広域地殻活動モニタリングシステム

(A) 基盤的高感度地震観測データの流通システムに関する研究(課題番号0132)

 平成15年度は、平成14年度から本格運用開始した全国的な高感度地震観測データ流通システムの安定的な運用を図ると共に、大規模データを用いたデータ解析・流通システムの研究開発を推進する。また関係機関の間の解析結果の迅速な流通システムの構築等を推進する。運営経費として、衛星テレメータ中継局(主局と副局)と防災科学技術研究所のデータセンターとの間のデータ交換のための専用線回線使用料金を計上。

 

2)特定地域地殻活動モニタリングシステムの高度化のための観測手法の開発

(A) 東海及びその周辺地域における地下水観測研究(課題番号0702)

 既存の地下水観測点5地点に設置した非揚水型の溶存ガス測定装置の運転を定常的に継続して行い、測定される多成分の時系列変動を1日以下の短期変動から1年単位以上の長期変動まで、その原因を解明し、地震の前兆を識別する方法を検討する。また、新たに3ケ所の既存の地下水観測点を順次、非揚水型で四重極質量分析計とラドン測定装置を用いる多成分の同時並行観測の方式に変える。