(1) 課題番号： １３０４（要求継続中）

(2) 実施機関名： 高知大学理学部

(3) 課題名： 海洋地域下における南海地震発生場の特徴の抽出（Ｂ）

(4) 対応する新建議の項目：

　４． 本計画推進のための体制の整備

　(2) 人材の養成と確保

(5)「3. 具体的な課題提案の背景」の項目：

　　(2) プレート境界におけるカップリングの時間変化

　　(2)-2. テストフィールド

　　(2)-2-2. 東海・南海、十勝沖・釧路沖

(6) 関連する建議の項目

　　1.(1)ア・ウ、　2.(1)イ

(7) 平成14年度までの研究成果の概要

　　予算化されていないので成果についてはルーチン観測結果を用いて述べる。四国付近下における南海地震の歪蓄積層は南上がりのモホ面直下にあり、その厚さはせいぜい５ｋｍ程度であることが明らかにされ、この南上がりの震源分布は南海トラフ付近まで続いていることが推定された。一方、最近この薄い歪蓄積から１０ｋｍ程度下部にもメカニズムの異なる地震がたまにではあるが発生していることが観測された。

　フィリピン海プレートの沈み込み開始位置とされる南海トラフよりかなり南側の海域まで地震が発生し、海域によっては群発的に発生している。

　南海地震の震源域における震源分布の形状は複雑であり、地震のメカニズム解には地域性が顕著に認められる。

(8) 平成15年度計画の概要

　自己浮上式海底地震計一式の予算化がなされていないので実施できる内容としては

　　　(1) 課題番号： １３０２

　　　(3) 課題名：海洋地域下における南海地震発生場の特徴の抽出（Ａ）

とほぼ共通となる。

(9) 5ヶ年の到達目標に対する平成15年度の計画の位置づけ

　(8)の理由により到達目標や位置づけは述べられないいが、以下に１５年度にアプローチできそうな事項について述べる。

　南海地震の震源領域の大部分を占める海底下の震源分布や速度構造（フィリピン海プレートの形状）を広範囲、特に紀伊半島から四国の中間にある紀伊水道沖の地震の震源再決定を行って、震源分布の形状を精度良く求める。フィリンピン海プレート形状の地域的相違と南海地震のマルチプルショックとの関係を推測し、南海地震の破壊メカニズムに関する基礎的な考え方を得る。フィリピン海プレートの沈み込み運動との関連性を追求してゆく。これらのことにより南海地震に関する基礎的なイメージ作りや今後の観測指針決定に役立つ基礎的資料を得る。

各種観測データの収集に努め、南海地震に関する個別的、総合的な情報発信的機能を備える基礎作りを行う。

(10)この計画の実施担当連絡者

氏名：木村昌三

電話：088-844-8348

FAX ：088-844-8363

e-mail:skimura@cc.kochi-u.ac.jp